前回は農薬の人体への影響に付いてお話をさせて頂きました。そこで『農林水産省では、殺虫剤、殺菌剤、殺虫殺菌剤、除草剤、殺そ剤、植物成長調整剤、その他の7種類に分類し、殺ダニ剤、殺線虫剤は殺虫剤に、農薬肥料、殺虫・殺菌植調剤、忌避剤、誘引剤、展着剤は「その他」に含めています。』とあげさせて頂きましたが、ここに記してある通り、化学肥料も人体への影響があります。
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化学肥料とは?
まず肥料を分類すると、無機質肥料(化学肥料)と有機質肥料に分かれます。有機質肥料はなたねや大豆油粕等の植物質肥料と骨粉や魚や肉の粕粉末等の動物質肥料、そして牛等の家畜のふん堆肥や樹皮堆肥等の堆肥化資材に分類されます。
一方、無機質肥料は単肥(チッソ、リン酸、カリのうち一つの成分を含んだ肥料)と複合肥料(チッソ、リン酸、カリのうち2成分以上を含んだ肥料)とに分かれます。簡単に言うなら有機質肥料は自然の物を醗酵・腐熱化させるのに対し、化学肥料とは化学的工程を使って無機質原料から作られた肥料の事をいいます。現在、使われている肥料の大部分は化学肥料で、その理由は価格が安く安定供給が可能な為です。
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危険性と人体への影響は?
農薬が良くないという事は知っていても、肥料が体に悪いなどとは考えたことはないという人は多くいらっしゃる事と思います。しかし、1990年代に入ってから、肥料が農薬に同様に危険性があるということが明確になってきており、それと同時に化学肥料による被害報告も激増しているのです。化学肥料は水に溶けやすく、畑に投入した50%ほどは地下水や河川に流亡し、環境を汚染してしまいます。
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そして土壌や作物に大量に残った硝酸態窒素(植物が吸収しきれなかった分)は、唾液により亜硝酸態窒素に変化して血液中で酸素を運ぶヘモグロビンの働きを阻害してしまうのです。乳幼児だけでなく、その母親が硝酸態窒素の多い草を食べた牛の乳を飲んだり、野菜を生のまま食べたりする事で、母乳をへて乳児の体内に入りメトヘモグロビン血症になり、酸欠症状を起こす原因や農薬との複合作用が人体に甚大な悪影響を及ぼす恐れがあります。その他にも牛の大量死等の様々な事例があるため、農薬同様化学肥料にも厳重な注意が必要なのです。
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