精神的・肉体的ストレスの多かったハードな一日や嫌な体験をして精神的にぐったりと疲れきった日は、帰宅直後にベッドに倒れ込んで<バタンキュー>をする人も多いのではないでしょうか。しか、この<バタンキュー>による身体への影響が問題視されています。
ネガティブな後の睡眠はNG
実はこの<バタンキュー>の行動は、一見リラックス出来るように思えますが、その逆効果となってしまうことが米国マサチューセッツ大学の研究で発表されました。その実験は男女106人を対象に実施され、まず初めに暴力や戦争・自動車の事故といったネガティブな写真とニュートラルな普通の写真を被験者に見せました。そして、12時間後に睡眠を取った被験者と睡眠を取らなった被験者の両者に数枚の新しい写真とともに先ほど見せた写真を再び見せて彼らの反応を調べたのです。その結果、衝撃的な出来事が映っているネガティブな写真を見た後に睡眠を取った被験者たちは、睡眠を取らなかった被験者と比較してみると記憶のフラッシュバックや心的混乱が大きかったのです。つまり、眠った人達の方に大きな影響があったということです。
バタンキューの前にリラックスを!!
私達人間は睡眠を取ることによって記憶の保持と一緒に感情までも維持することができるようです。実際に私達がトラウマになるようなハードな体験をした後は不眠になりますが、これは健康的な生物学的反応であるということです。神経科学者の話では、私達の先祖は生命に関わるようなハードな体験やストレスがかかる事象の記憶を鮮明に保つことにより、将来起こりうるリスクを回避して生き延びてきたと言います。しかし、この帰宅直後の精神的肉体的に疲労困憊した状態での睡眠は、痛ましい記憶や体験がそのまま記憶されてしまうので、精神的に不安定になってしまったり、何だか疲れがとれないという様なことを引き起こしてしまうのです。
その為、どんなにハードな一日を過ごして帰宅しても、出来る限りそのまま<バタンキュー>で布団に滑り込むのは辞め、お風呂にゆっくり浸かったり読書や静かな音楽を楽しんだり軽くストレッチなどをして、身体も心もほぐしてからお休みになられると疲れがしっかりとれます。一日の締めくくりである睡眠前は心穏やかに眠りについて下さい。
コメント