前回までは農薬や化学肥料の危険性に付いてお話をさせて頂きましたが、今回は『種』に付いてお話をさせて頂きます。
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農薬に漬けられた危険なコーティング種子
国内で種を買うと、袋に「消毒済(農薬使用)」という記載がされています。それは9割以上を輸入にたよっているために、海外から搬送される際の虫やカビを防止する為に殺虫剤などで処理されていることが多くある為です。
日本人の主食であるお米は、蒔いた種を鳥についばまれないようにそのほとんどが種を蒔くときに種籾を農薬液に浸しています。種子が病気や害虫に侵されないようにするためにと「種子消毒」と称して、農薬をたっぷりとまぶした種子が現在でも使用されているのです。
麦や豆類等は種子にコーティング加工がされており、コート種子やコーティング種子とも呼ばれます。薄くコーティングされた種子のほか、球状に加工されたペレット種子やフィルム状にコーティングされた種子等があります。種のコーティング処理には、農薬を含むものもありますが、農薬を含まず種の発芽や種まき作業に都合がよいように粘土類を表面に被覆した物もあります。しかし、ほとんどの物は農薬がコーティングされたり、ネオニコチノイドがコーティングしてあるものも多く存在しているのです。そのまま植えるだけで害虫の攻撃から植物を守り、収穫時に農薬散布の必要がないので、農家にとっては様々な手間が省けます。ピンクや青といった分かりやすい色付をする義務があるので、土の上にまいたときに目立つので種まき作業がやりやすいというメリットやサイズを嵩ましする事が出来る為に機会での種まきが出来る様になるということで多く使用される様にになったようです。
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しかし、そのリスクはかなり高いものがあります。フランスではイミダクロプリドによる種子処理(種子コーティング)が導入された後、ミツバチ大量死事件が発生し、さらにはミツバチ全滅事件も発生したことから、イミダクロプリドによるトウモロコシの種子処理と使用自体を禁止しました。種苗店でも、種を袋づめする時に付いている農薬を吸い込まないようにマスクを付けるのが当たり前となっています。この農薬は種を洗っても完全に取り除くことは難しく、今ではコーティングされていない種を見つける方が困難と言われコーティング処理された種子は全国各地へ流通されて一般的になっているのです。
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有機・無農薬栽培種子は皆無
種子が薬剤処理される以前に、種子を実らせる親株も、当たり前の様に農薬・化学肥料が使用されています。在来固定種をあつかう種苗店でさえも、国産の有機栽培・無農薬栽培で採種されたものはほぼ皆無な状態にあるのです。
日本での有機・無農薬栽培の野菜は全体の0.1%しかない為に、市場に出回るという事は無いと言っても過言ではありません。その為、自家採取している農家さんに直接頂いたり、種の交換会に参加するという方法でないと有機栽培・無農薬栽培で採種された種は入手する事は出来ません。
通常、自然界の種子は農薬を使わなくても発芽し元気に育ちます。種子が病気や害虫に侵されるのは、この社会のあり方、育てる環境や方法、そして育てる人間の考え方に問題があるのかもしれません。
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・品質改良の実態
[ ※追記(2015年3月10日)]
記事内に分かりづらい表記があったため、一部を修正いたしました。
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