今回は、食物アレルギーの原因と予防法に付いてご紹介させて頂きます。
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食物アレルギーを引き起こす原因
食物アレルギーは食物摂取時に免疫機序(アレルギー)を介し不利益な症状がでる場合と定義されています。アレルギー体質の人は特定のタンパク質にIgE抗体をつくりやすい免疫傾向があり、摂取した食物とこれらのIgE抗体を介して症状が起こるとされているのです。多くは食物を摂取直後から2時間程度でみられる即時型反応を示しますが、やや遅れて症状がでる場合もあります。
アレルギー症状は、皮膚症状(じんましん、痒み、皮膚の赤みや腫れ)や、呼吸器症状(咳、呼吸困難)、粘膜症状(口が腫れる、目が赤くり腫れる)、消化器症状(腹痛、吐き気、ムカつき、下痢)等が発症し、重症なケースでは血圧が下がり意識がなくなるアナフィラキシーショックを呈することもあります。アレルギーの原因になるものを「アレルゲン」といいますが、食物アレルギーを引き起こすアレルゲン食品として卵、牛乳、小麦が有名です。この他にもさばやいか等の魚介類・バナナやキウイ等のフルーツ・大豆・ピーナッツ・そば等があり、アレルゲン食品は年齢によって原因となる割合が異なります。
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米国小児科学会では、ピーナッツはアナフィラキシーショックの代表的なアレルゲンである為に妊娠中の除去を勧めています。アレルギーリスクの高い家系では「妊娠8ヵ月以降の卵除去、アレルゲンになりやすい食品の偏った過剰摂取を避けてバランスよく食品を摂取する指導」を行っています。また、妊娠・授乳中の母親が摂取した食物中のたんぱく質が原因で、離乳食開始前の乳児に食物アレルギーが起こり、湿疹ができることがあります。まだ口から食事をとっていないために、食物アレルギーに気づきにくいので要注意です。また、アレルギーやアトピーの子どもが増加した原因として、離乳食の早期開始と早期からの乳製品・卵等のタンパク摂取が考えられます。母乳は生後1年程度まであげる事が望ましいと言われているのです。
この他にも、食品添加物や残留農薬を始めとした化学物質でもアレルギーを作るきっかけになります。有害物質が子どもたちの免疫に影響して正常なアレルギー反応を混乱させ、激しいアレルギー症状を起こさせている可能性があります。食品や生活環境中に存在する化学物質の中には免疫能力を落としてしまうものがあり、これらの化学物質によって低下した免疫力を補うためにアレルギー反応を強くさせて生体防衛をしていることが考えられます。
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飲食物アレルギーの予防について
アレルギーの治療・予防は、原因となっているアレルギー原因物質を食品や生活環境中から極力排除し、日本人としての体質にあった食生活をすることと、アレルギーを悪化させている環境・食品中の化学物質を減らすことがとても重要になります。
河名秀朗さんの記事によるとンゴを食べると発作が出るリンゴアレルギーの人がいたのですが、農薬や肥料を使わないで育てた無農薬リンゴを食べさせたところ、発作もでなくリンゴに対して発作が起こっていた訳ではなく、リンゴを作るプロセスで使用される農薬や肥料に対して反応していたことが判明したのです。
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