オーガニックコスメは防腐剤・保存料等が含まれないため、保存方法によって腐ってしまうことがあります。せっかくお肌によくても腐ってしまっては元も子もあありません。ここではオーガニックコスメを腐らせない為の保存方法についてお放しをさせて頂きます。
オーガニッククレンジングに付いて
まず、保存方法の基本として、射日光を避けていただき、極力涼しい場所に保管してください。湿度が高いお風呂場や洗面所に置く場合は、キチンとふたを締めていただき水分が入らないように注意しましょう。
無駄なく効率的に使う秘訣は道具も衛生的にしておくことです。例えば、ファンデーションの中に一緒に入っているパフを汚れているままで入れておけば当然傷みが早くなります。
水分が多い化粧品や酸化しやすいオイルを使用している場合は、購入日と開封日を書き留めておくと便利ですよ。製品によっては冷蔵庫で保管する方が良いものもあります。メーカーによって使用期限は違いますから購入時にチェックしておきましょう。
防腐剤や保存料について
では、次に防腐剤や保存料について解説いたしましょう。なぜオーガニックコスメを使うのかと言いますと、合成保存料をできるだけ使用せず、より安全性が高く、肌への負荷を軽減することができます。
1990年代に無添加の化粧品が流行したのは記憶に新しいでしょう。その時に<旧表示指定成分不使用>とか<パラベン不使用>などをセールスポイントにした製品が多くでまわりました。旧指定成分というのは、以前の薬事法で製品に配合したら表示する義務があった成分のことです。
そのときの訴求ポイントは独自の視点で危険度をレベル評価をして「自社製品が使用していない旧表示指定成分は体に悪い」とか「パラベンは発ガン性がある」とか「毒性成分が皮膚を通して体に入り危険」という消費者に警告するようなプロモーション展開が行われていました。
そして、大手の化粧品会社の製品が主流だったマーケットの中で<無添加化粧品>という新しいカテゴリーができあがりました。現在でも警告型のプロモーション本を展開している多くの場合は、直接的にしろ間接的にしろ、おすすめの自社製品に流れるように仕掛けられています。
消費者としては、その様なプロモーション手法を見て「本に書いてあるし出版されているものは本当のことだ」とついつい思い込んでしまいます。
「合成保存料は良くない」という意見もありますが、パラベンなどの保存料の発明により普通では腐るはずの水や植物エキスが腐らなくなりました。大量生産して長い保存が可能となり工場からお店まで流通するのです。消費者にとって格安で使える化粧品が生まれたということは否めません。
それとは逆に、オーガニック化粧品の場合は植物エキスが豊富に入っているものが多いので保存料を入れなければすぐに腐ってしまうでしょう。腐ったものを体に使うことも非常によくない為、保存方法がとても重要になるのです。
ホルムアルデヒドに注意
消費者視点に立てば体によくないと言われる成分はできるだけ使いたくないはないです。海外で流通している製品は保存料として海外では使用が認可されているホルムアルデヒド=ホルマリンが含まれていることも少なくありません。
ホルムアルデヒドは主に防腐剤や接着剤に用いられ、アレルギーの原因物質のみならず発ガン性の可能性があります。ホルムアルデヒドは日本では微量でも法律で使用禁止とされているために、海外用とは別に日本市場用にホルムアルデヒドを除いて生産しようとした製品も、輸入時に厳密に分析検査して多く配合されている各植物エキスから微量でも混入しないようにチェックする必要があります。
各植物エキスは製品への配合前には単体で保存されています。しかしながら、常温で植物ジュースが腐らないわけはありませんから、それぞれに保存料が添加されています。ヨーロッパの薬事法では製品として配合時に保存料を入れなければ成分に記載する必要はありません。だから植物エキスに配合されている保存料は成分表に記載されないことになります。
だから日本に輸入してヨーロッパの記載どおりに和訳して保存料なしの成分表示で販売しても、もし実際に成分分析検査したら植物エキスに含まれていた保存料が検出される可能性はあり、ホルマリン・フェノキシエタノール・プロピレングリコールなどが考えられます。これは<キャリーオーバー>といわれ市場からの製品の回収や成分表示の書き直しなどが必要になってしまいます。
オーガニック化粧品では、水分の多いアイテムを腐らせないためには(1)保存料を入れるか(2)ベースをエタノールなどの殺菌効果の高いアルコールにして腐らないようにするか、という二者択一となることが多いです。
オーガニック認定機関が禁止する保存料
独立性や公共性を持つオーガニック認証団体は、それぞれの化粧品会社の製品に自団体の認証マークをつけて製品の安全性を消費者に担保することによってメーカーからお金を貰うというビジネスモデルです。巨額なコストをかけて安全性の検査や学術情報の精査などを行い消費者に対する安全性の追及と使用原料の選択に認証団体としての威信をかけて取り組んでいます。自団体の認証つきの製品が危険性を指摘されるようなことがあれば、一挙に信頼性が失墜して大変です。
仏エコサート・伊イチェア・英ソイルアソシエーション・独BDIHがヨーロッパ統一のオーガニック認証機関COSMOS(コスモス)として提携・統合されることが発表されました。それらのヨーロッパのオーガニック認定機関が使用してはいけないとしている保存料は主に次の二つです。
1番目は、パラベンです。パラオキシベンゾエートの略称でシャンプーや化粧品類に防腐剤として添加されています。京都大・同志社大の研究でメチルパラベンは紫外線と反応した場合に、お肌の老化や細胞DNAの破壊する原因になるとしており海外では発がん性を疑う説もあります。
2番目は、フェノキシエタノールです。これはグリコールエーテルの一種で芳香族エーテルアルコールの防腐剤です。緑膿菌に対して殺菌作用を持ち、いろいろな製品に防腐剤として配合されています。アレルギー・眼刺激・生殖能・胎児への悪影響の恐れの疑い・眠気やめまいの恐れがあると指摘されています。
使用可能とされている防腐保存料
逆に使って良いとしているものを簡単にご紹介いたします。
【安息香酸ナトリウム】
エゴノキ科アンソクコウノキの樹脂にも含まれ、水に溶けやすく各種の微生物に対して増殖を抑制する効果がありますから、食品防腐保存料として使用されています。
【ソルビン酸カリウム】
ソルビン酸のカリウム塩にあたる有機化合物で、主に食品添加物の保存料として使用されるケースが多いです。
【ベンジルアルコール】
アカシアの花精油中に含まれており、ジャスミンにはエステルとして含まれます。化粧品や石鹸用香料や局所麻酔薬などに使用されています。
【クエン酸】
柑橘類などに含まれる有機化合物で爽やかな酸味がありますので食品添加物として頻繁に使用されており酸化を抑える作用があります。
その他酸化を抑える作用があるもの
【酢酸トコフェノール】
大豆から得られるビタミンEの成分で抗酸化物質で保存作用や防腐作用があります。
【デヒドロ酢酸ナトリウム】
水に溶けない性質をもち、エタノールには溶ける白色結晶で微生物の発育を妨げる作用があり防腐剤として食品に使用されています。
これらのものを使用量の制限を設定して使用を認めています。
化粧品メーカーなどのプロモーション展開としていろいろな情報はあります。しかし、実際に人体にどのような影響があるのかは、はっきりわからないのが現実でそ。そのためどの情報を信頼するかは自己責任で判断しなくてはなりません。人によってどの成分にアレルギーを感じるかは、それぞれです。
現在、ご自身がお使いのコスメの成分を一度見てみましょう。化粧品の成分表示は入っている量の多い順番で記載されています。使ってみて自分にあった製品を見つけることが大切です。
また、これらのリスクを回避するためにも、ご自身で安全なものだけを使用して手作りコスメを作り使用するという方法があります。
『自分で作るから安心★手作りコスメ』でご紹介させていただきていますので、ご参考にしてみて下さい。手作りコスメの場合ももちろん保存には充分に気をつけましょう。
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