冷えの危険性

病気と現代医療

冷えは体を守る防御反応でありますが、「冷えは万病の元」とも言われ、身体に様々な悪影響を及ぼします。今回は冷えの危険性に付いてお話をさせて頂きます。

冷えのリスク

冷えが起こるメカニズムについて簡単にご説明させて頂きます。身体の一部に末梢血管が収縮したままの所が出来ると、脳から滞っている所があるとサインが送られます。すると、頭のてっぺんからお腹の下辺りまで血液が集中することで血液がその他の部分、末端に十分行かなくなります。これを冷えている状態で、通常であればしばらくすると指令は解除されますが、冷えている人はその状態から止まってしまうのです。

長い間続くと脳に再度冷えている状態であることが伝わり、免疫機能・体温や血圧調整、内臓を動かすなど重要な役割を担っている自律神経のバランスが崩れてしまいます。滞りのある状態が続くのは異常事態と判断され、脳は自律神経に体を守れと訴え続け、それが持続すると防御機能がマヒしていまい、免疫機能がうまく働かなくなるのです。「冷え」を持つ人にアトピーや花粉症などのアレルギー疾患を抱えやすいのはこの様な理由がある為です。特に冬場は冷えから脳卒中・高血圧・心筋梗塞など様々な病にいろいろな影響を与えます。

危険な冷えの原因

冷えの原因には生活習慣病が関係していることも多くあります。男性の冷え性の原因は、運動不足による筋肉の減少やストレス過多、生活習慣病による動脈硬化などが関わっているケースが多くみられます。とくに高齢者では動脈硬化が進み、血行が悪化した結果として冷え性が起こることも多いのです。体の冷えは、体温を調節と密接な関係があり、体の中心部の体温を維持するために手足が冷えるのです。生命活動を維持する上で大切な働きをしている酵素の働きは37℃で最も高まる為、内臓のある体の中心部の温度をつねに37℃に保ち環境の変化に応じて体温を調節するわけです。

暑いときは四肢末端や皮膚表面近くにある血管を拡張させ、血液の流れる量を増やすことで外気に向けて熱を逃がそうとします。それでも足りなければ、汗を出すことで熱を逃がします。寒いときは四肢末端や皮膚表面などの血管を収縮させて熱の拡散を防ぎ、心臓や肝臓など重要な臓器が集まる体の中心部に血液を集めて、体温を維持しようとします。そのため血液が行き渡りにくくなった手足は温度が下がるのです。さらに寒いと、体がふるえますが、これは筋肉を動かすことで熱を作り出そうとする反応です。

病気に付いて

冷え性の原因には、エアコンの普及や衣服・食生活の変化、それに夜型の生活やストレスの増大も影響して現代人は冷えを感じやすくなっています。きつい下着や靴などでからだを締めつけによる血行が滞り、室内外の温度差、夏場のエアコン、運動不足による筋肉量の低下、女性ホルモンの乱れ等に注意し、日常生活を改善していくことが有効です。

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