ヘアカラーは、髪にダメージを与えるものという認識があっても、人体や皮膚に危険なものであるという認識を持たずに染毛を行っている人は多くいらっしゃることと思います。
髪を染めるには、塗装法と酸化法の2種類があります。塗装法は、髪の表面を酸性染毛料でペインティングするヘア・マニキュアや酸性カラー等が代表的です。酸化法は、毛髪内部に発色剤と酸化剤を浸透させて酸化作用により好みの色に発色させる方法でヘアダイ・ヘアカラーが代表的です。
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ヘアカラー成分のハイリスク
このヘアダイ・ヘアカラーの主成分が人間の身体に与える影響がとても大きいのです。
その危険性として最も注意すべきな点は、アナフィラキシー・ショックです。染毛料に含まれる科学物質に対してアレルギーを持っている方がヘアダイをしたため死亡した事例があります。スズメバチに刺されることで起こるショック状態に陥り、最悪の場合には痙攣して呼吸困難になり死亡するのと同じ症状が発症してしまうのです。
二番目に危険な点として注目すべきは、再生不良性貧血です。1988年に開催された日本血液学会で再生不良性貧血等の造血障害とヘアダイの関係が報告されています。骨髄の造血能力が弱まり貧血症状になる病気で<血液のガン>とも言われています。
三番目は、発ガン性です。市販されている24種類のヘアダイに対してバクテリアを使って突然変異が起こるか実験したところ18種類約8割のヘアダイが突然変異を起こしたというデータがあります。1992年米誌「ニューズウイーク」に掲載された米国立ガン研究所の研究チームの調査には「髪を染めている女性は、ガンの一種であるリンパ種にかかる危険性が半数も増す」という報告もあります。
これらの症状を引き起こす原因物質は、ヘア・カラー剤の主成分であるパラフェニレンジアミン(塩)とパラアミノフェノール(硫酸塩)です。分類は医薬部外品で化学合成物になり、その用途は染毛剤の主成分になります。
強い皮膚刺激がありアレルギーを引き起こし、発がん性の危険性があります。精製方法を変えると違う名前になる場合がありますが、××ジアミン、××フェノールと書いてあれば同じものだと考えて良いでしょう。これらの主成分以外にも化学物質が沢山配合されていますが医薬部外品のため成分表示の義務がありません。
これらを1剤と呼び使用直前に2剤と混ぜ合わせて染毛に使用します。これに使用される2剤の主成分は過酸化水素水です。過酸化水素水の分類は添加物、化学合成物です。用途はブリーチで、脱色剤・酸化剤・漂白剤・漂白殺菌剤として利用されます。
毒性は、刺激が強く皮膚粘膜にただれやアレルギーを引き起こし、一過性の食中毒を引き起こします。また動物実験で強い急性毒性・十二指腸潰瘍・発ガンが見られ、遺伝子損傷性・染色体異常を示す物質です。
髪が染まるのは2剤の過酸化水素水が髪の色素を脱色しながら、1剤の酸化染料が発色して染まるというサイクルになっています。髪の中に浸透するヘア・カラーですが、頭皮も同じタンパク質の為、髪を染めているつもりでもヘア・カラー剤が頭皮から身体の内部に浸透するのは間違いありません。頭皮は毛細血管が発達していますので結果的に毛細血管に浸入し、ヘアカラーの成分が全身にいきわたってしまいます。
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ヘアーマニュキアも安全ではない!!
では、もう一方の塗装法のヘアマニキュアや酸性カラーは安全なのでしょうか。
ヘアマニキュアなどの塗装法は、酸化法のように毛髪内部まで染毛料を浸透させず髪の表面を薄い層で塗装します。層が薄いですから洗髪すると色落ちしやすく、日光に当ると紫外線の影響で染料が褪色しやすいので1ヶ月程度しか持たないというデメリットがあります。
塗装法の薬品は酸化法の薬品と比較すると発ガン性は低いと言われていますが、長期間に渡る検査がなされていないので安全だとは断言できませんし、酸化法より恐ろしい毒性が隠されている可能性もないとはいえません。
そこで、ヘアマニキュア・酸性カラーの代表成分を見てみましょう。ベンジルアルコールは、皮膚や粘膜への刺激が、タダレを起こします。タール色素は、多くのものに発ガン性があることで有名です。
アゾ色素系には皮膚吸収されアレルギー反応を起こし黒皮症の原因とされるものもあり、キサンチン色素系には光毒性があり皮膚への刺激や発赤など強い症状を起こすことで知られています。大部分の化粧品の色はこのタール色素でできているのです。
ヘアマニキュアや酸性カラーは頭皮に付くと落ちにくいことから、直接ベタ塗りをすることはありませんが、そういった意味では酸化法よりは安全とも言えるますが上記の成分によって内臓障害を起す可能性も否めません。
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最近ではより安全な方法として自然系ヘナが注目されています。ヘナは、主にインド・中近東・アフリカに原生するミソハギ科の植物です。このヘナの新葉を完全有機栽培し、全く化学剤を加えずに微粉末にして製品化したものがありますので、そちらがお奨めです。
しかし、ヘナにも注意が必要です。最近はヘナにはカラーバリエーションを増やす為や発色を良くする為に塩基染料やHC染料が含まれる製品が多く出回っています。こちらは染まりも良く色の発色もいいですが、通常のカラー剤同様と同じリスクがある為に使用してはいけません。
植物由来の天然ヘナカラーは染まりがよくありません。その為、何度も繰り返し染色を行わなくてはいけません。また、色も茶や黒系のせいぜい3色程度しかありません。自然物での染色とはそういうものという認識をし、より安全なものを選ぶようにして下さい。
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