東京都生活文化局消費生活部生活安全課が、子どもの染毛剤の調査結果を発表しました。それによると、小学校入学前に毛染め経験のある子どもは63%もいるというデータがあります。毛染めや脱色剤に含まれる化学物質がアレルギー症状や皮膚炎を起こす可能性があます。酸化染毛剤にはパラフェニレンジアミン、脱色剤には過酸化水素というかぶれや肌荒れを起こしやすい化学物質が含まれ健康被害が発症する危険性があります。
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子どもは染毛剤を使用してはいけません!!
平成19年に東京都は、東京都消費生活条例第9条に基づき「化粧品類の安全性等に関する調査」を実施しました。その結果、注意表示等が不十分な子ども用化粧品販売の現状とアレルギー物質等を含む染毛剤を子どもに使用している実態が報告されました。
調査対象となった子ども用化粧品は基礎化粧品に含まれておらず、すべて口紅・マニキュア等の<メイクアップ用化粧品>でした。東京都の対応は、厚生労働省に対して子ども用化粧品及び幼小児における染毛剤の使用に関して今後とも注視することなどを提案しました。
さらに製造・販売事業者の団体等に対して子どもが使用することを配慮した商品の製造・販売及び適切な表示に努める事、染毛剤には「幼小児には使用しない」旨の注意表示を行う事を要望しました。消費者への注意喚起を行ってきていますが、その実態はあまり知られていないことが現状です。
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取り返しがつかなくなる事に
染毛剤とは、ヘアダイ・白髪染め等の一旦染まると色持ちが長期的に持続するもので、薬事法上は医薬部外品に分類され品目ごとの承認が必要とされ、使用上の注意の中に皮膚試験と呼ばれるパッチテストの実施についての記載が義務付けられています。
一方、ヘアマニキュア・カラーリンス・カラースプレー等の一時的に髪を染めるものは染毛料と呼ばれ、薬事法上は化粧品に分類されます。インターネットアンケートによる実態調査では、約4%の12歳以下の子どもが染毛の経験があり、そのうちの80%以上が染毛剤を使用していたのです。
染毛剤は発色主剤・修正剤・酸化剤等からなり、p-フェニレンジアミンは発色主剤として使用され、毛髪中に浸透した酸化されることで発色します。体質によっては重篤なアレルギー症状を起こす可能性があります。
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初回での使用時に問題がなくても、繰り返し使うことでかぶれなどのアレルギー症状が出ることがあり、症状が出れば以降はずっとアレルギー体質が続く恐れがあります。また、ぜんそくや腎臓障害、アナフィラキシー(急性アレルギー反応)を発生させる可能性もあるのです。
さらに、発がん性が疑われる物質が使用されており、疫学的調査で成人の急性白血病、リンパ腫(非ホジキン・リンパ腫)膀胱ガンの発症リスクが高くなっていることが報告されています。
国民生活センターには「ブリーチを使ったら髪が全て抜け、医者から『今後生えてこないかもしれない』といわれた」という男子高校生や、染毛料が顔に付着し化学的やけどを負った女子中学生、染毛剤を使用し続けたことで腎臓機能が低下した小学生の男児等の相談があったということです。
近年では、その危険性から多くの市町村でも染毛剤の子どもへの使用を禁止することを促しています。自身の子どもを大切に思うのであれば、大人になるまで染毛剤の使用は絶対に停止する様に促してください。
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