ここでは、頭・顔の病気の種類と詳細を解説いたします。
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頭・顔の病気について
●急性副鼻腔炎 br>
副鼻腔に急性の炎症が起こることを急性副鼻腔炎といい、菌感染が副鼻腔で繁殖し急性の炎症を来たし副鼻腔内に膿が蓄積します。急性副鼻腔炎の原因として、肺炎球菌・インフルエンザ菌・ブドウ球菌などの細菌や、潜水や飛行機に乗って副鼻腔の気圧が急激に変化することにより発症する場合(気圧性副鼻腔炎)もあります。急性副鼻腔炎の症状は、痛み・膿性の悪臭を伴う鼻汁がみられます。また、外傷や病気で体の抵抗力が低下している時、疲労が蓄積すると急性副鼻腔炎になりやすくなるので睡眠を多くり抵抗力を上げましょう。
●咽頭炎 br>
咽頭炎は咽頭に炎症を起こす疾患のことで、咽頭や扁桃・喉頭など部分的に炎症を起こす場合や上気道部全域に炎症を起こす場合があります。いろんなタイプの咽頭炎があり、大きくは急性咽頭炎と慢性咽頭炎に区分されます。急性咽頭炎は細菌の感染・ウイルス感染によるものが一般的で、慢性咽頭炎は急性咽頭炎を何度も繰り返すことで慢性に移行するのです。たばこの煙や酒が慢性的に咽頭を刺激したりする場合も発症原因になります。急激な咽頭の痛みが急性咽頭炎の症状で、初期段階では鼻と喉の境界周辺にいがらっぽさを感じ、痛みが激しくなると粘膜が腫れ高熱を伴います。慢性咽頭炎の症状は喉の赤みやいがらっぽさを伴い常に不快な感じ咳をする回数も増加します。咽頭炎の治療は、咽頭部の清潔を保つためにしっかりとうがいを行い、タバコやアルコールを控える事が大事です。
●アルツハイマー症候群(病) br>
高齢者の認知症・アルツハイマー型老年認知症患者のの脳を調べてみると神経原線維変化・老人斑という病変が共通して発症していることがわかり、2つの病気を1つにまとめてアルツハイマー病と呼ぶこともあります。アルツハイマー病は原因が不明でしたが、最近の研究では神経細胞のたんぱくが変性してきて神経原線維変化や老人斑ができるらしいことがわかってきました。アルツハイマー病の症状は中核症状た周辺症状があり、中核症状には記憶障害と認知障害の二つがみられます。周辺症状は、夜間に興奮して歩き回る徘徊や迷子等が現れます。家族はお年寄りのペースに合わせ失態を責めたりせず、やったことが中途半端でもほめてあげるほうが効果的です。お年寄りができないことを要求するのではなく、できることをやってもらい、自信をつけさせてあげましょう。また、快適に過ごせるような環境をつくってあげると適応状態に導くことができます。
●くも膜下出血 br>
くも膜の内側は脳脊髄液という液体があり、この部分に出血するのがくも膜下出血で死亡率も高い病気です。くも膜下出血の原因で最も多いのは脳動脈瘤破裂で、次に脳動静脈奇形からの出血や頭部外傷によるものです。同じ家系内に起こる症例があるので、親戚で発症した人や未破裂脳動脈瘤がある人がいる場合は注意しましょう。くも膜下出血の症状は、頭全体または前頭部や後頭部などに頭痛・吐き気・嘔吐・うなじが凝る等の髄膜刺激症状が起きます。 突然に起るいままで経験したことのないほど強い頭痛を感じた場合には要注意です。
●てんかん br>
脳の中の神経細胞の調和が乱れて意識を失う・おおきな痙攣が起きる・急に動きが止まるといった発作を繰り返し起こすことをてんかんと呼んでいます。んかんは、幅広い年齢層で発症することがありますが80%は18歳以前に発症し、高齢化に伴い脳梗塞・脳出血・脳腫瘍に伴うてんかんの発症も多くなってきています。てんかんと診断された場合は、自動車の運転や疲労・睡眠不足・ストレスには注意しましょう。また、入浴はひとりで行わないようにして下さい。海外旅行に行く際は、英文の診断書を書いてもらっておくと、もしものときに有用です。
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脳の病気には気をつけて
●パーキンソニズム(病) br>
パーキンソン病の主な症状は、振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害(姿勢保持障害)があり、一般に2つ以上を示している状態をパーキンソニズムと呼んでいます。パーキンソニズムは、脳血管障害・薬剤・中毒・腫瘍・外傷等により二次的に起こることがあります。パーキンソン病以外の種々の神経変性疾患に伴うこともあり、まとめて症候性パーキンソニズムといわれます。パーキンソン病のような症状が薬の副作用としておこる場合を薬剤性パーキンソニズムといい、服用開始からパーキンソニズム発症までの期間は3カ月〜4カ月のことが多いのですが数週間〜数年とかなりのばらつきがあります。 薬剤性パーキンソニズムは原因となっている薬を減量・中止すれば症状は改善・消失しますが、症状の回復までには数週間から数カ月かかります。
●髄膜炎 br>
髄膜とは頭蓋骨と脳の間にあって脳を保護するクッションのような役目をしている膜で、この髄膜に細菌やウイルスがつくと髄膜炎になります。髄膜炎は大きく分けて、無菌性(ウイルス性)髄膜炎・化膿性(細菌性)髄膜炎に分けることができます。髄液を腰からぬいて培養して原因の細菌が見つかると化膿性髄膜炎といい、インフルエンザ菌、肺炎球菌、髄膜炎菌などが原因のことが多く、発熱・頭痛・嘔吐が3大症状とされています。細菌が見つからないと無菌性髄膜炎と呼んでおり、大部分はウイルス性の髄膜炎で、おたふくかぜウイルスによるものと夏カゼを起こすウイルスが原因のことが多いです。
●脳炎 br>
脳炎は脳そのものに炎症が起こり、特にウイルスが感染して起こることが多いく、細菌の感染でおこると脳膿瘍となります。ウイルスが直接脳に感染しておこる脳炎は、日本では単純ヘルペス脳炎と、日本脳炎が代表的です。大抵の場合は、発熱・頭痛程度で完治します。また、ウイルスの感染を受けてから、かなり月日がたって発症してくる遅発性ウイルス脳炎もあります。
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●脳梗塞 br>
脳梗塞は、脳の血管が詰まったりなどの原因で脳の血の循環が正常状態の5〜10分の1に低下し、脳組織が酸素欠乏や栄養不足に陥り、その状態が継続した結果その部位の脳組織が壊死してしまった疾患のことです。脳梗塞は、以前は脳血栓症と脳塞栓症に分けられていましたが、最近ではアテローム血栓性脳梗塞・心原性脳塞栓症・ラクナ梗塞に分類されます。アテローム血栓性脳梗塞は、脳や頸部の太い血管の動脈硬化が起こり、その部位で血栓がはがれて流れていき先端の脳の血管の一部に詰まってしまう状態です。心原性脳塞栓症は、心房細動・心臓弁膜症・心筋梗塞のために心臓の中に血栓ができ脳に流れて詰まった状態です。ラクナ梗塞は脳の深部にある直径が1ミリの2〜3分の1の血管が詰まり直径が15ミリ以下の小さな脳梗塞ができた状態です。 脳梗塞が起きる原因は、加齢・高血圧・糖尿病・脂質異常症・心臓病・ストレス・喫煙・飲酒・脱水・肥満等で、予防には生活習慣を正し生活習慣病を早めに治すことが大切です。
●脳出血 br>
脳出血は、脳の血管に血栓などが詰まることで脳血管障害を来して血管が破れて脳内で出血する病気で、脳卒中の一種で高血圧を主要原因として発作的に起こります。脳出血の中で、クモ膜の間に出血するものがクモ膜下出血で後頭部に激しい痛みを伴います。一番の原因は高血圧で、その他には脂質過多による高脂血症や脂質・糖質過多による糖尿病などの生活習慣病・喫煙・飲酒・肥満・運動不足等も発症原因になっています。症状は軽い場合でも、頭痛・吐き気・嘔吐・半身麻痺・視野や視力の異常・上手くしゃべれない等の症状、重症の場合は突然けいれんを起こして意識を失って倒れる症例等があります。
以上、頭・顔の病気の種類と詳細を解説いたしました。
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