ここ数年でシックハウス症候群の患者は急激に増加傾向にあります。厚生労働省や文部科学省、国土交通省までもがシックハウスに対する文書を公開し、注意を呼びかけています。
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シックハウス症候群と化学物質の深い関係
では、シックハウス症候群の症状とは一体どの様なものなのでしょう?シックハウス症候群の原因と考えられる化学物質の一部をとりあげて具体的な症状をご紹介させて頂けたらと思います。
シックハウスのそもそもの原因物質は住宅建材や家具、日用品や布製品から揮発されて空気を汚染しています。この様なものには化学物質が含まれており、私達の生活の周辺は化学物質で溢れかえっていると言っても過言ではないでしょう。
2002年、厚生労働省は13種類の有害化学物質と、室内における濃度の指針値を定め、ガイドラインを策定しました。接着剤や塗料等に含まれているキシレンやトルエン等から、常温・常圧で空気中に揮発されて空気を汚染する物質をVOC(揮発性有機化合物)といい、空気中に含まれる濃度をVOC濃度といいます。
また、パーティクルボード等に含まれるホルムアルデヒド、木材等に含まれるアセトアルデヒドは他の有機化合物に比べて揮発しやすいため、VVOC(高揮発性有機化合物)としてと区別されています。これらを吸い込み、体内に入れてしまうことでシックハウス症候群や化学物質過敏症等の健康被害を引き起こされてしまうのです。
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特に危険なホルムアルデヒド
特にホルムアルデヒドは最も有害な物質であり、建築基準法で使用が制限されています。水に溶けやすい性質の為、吸い込んで体に入ってしまうと、肺で血液中に溶けて吸収されてしまうのです。直接血液に溶け込んでしまう事で、身体の中を駆け巡り中枢神経系にまで到達するようになります。一部の咽や気管などの粘膜を直接刺激し、嗅神経を伝わり脳まで流れていく可能性もあるのです。
呼吸器障害を引きおこし中枢神経障害の原因になる他には発がん性もあります。鼻や咽喉への刺激や涙が止まらずくしゃみや咳がでるといった症状や、吐き気等も催してしまい健康に大きな影響がでてしまうのです。ホルムアルデヒドは、建築材料の合板やフローリング等の床材、家具や壁紙の接着材、防腐剤等に含まれており、指針値は0.88ppmとなっています。
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家の中は危険物質だらけ
この他の揮発性有機化合物は、防腐剤や接着剤、塗料に含まれるトルエン(0.07ppm)やキシレン(0.20ppm)やエチルベンゼン(0.88ppm)。断熱材に含まれるスチレン (0.05ppm)、衣類の防腐剤や芳香剤に含まれ近年注意が頻繁に促されているパラジクロロベンゼン(0.04ppm)。
灯油に含まれるテトラデカン(0.04ppm)、白あり駆除剤に含まれるクロルピリホス(0.07ppm)とフェノルカルブ(3.80ppm)。接着剤や印刷インクに含まれるフタル酸ジ‐n‐ブチル(0.02ppm)や可塑剤として危険視されているフタル酸ジ‐2‐エチルへキシル(7.60ppm)、農薬や殺虫剤に含まれるダイアジノン (0.02ppm)があります。
これらを吸引してしまうと吐き気・頭痛・めまい・頭痛・結膜炎・眼や皮膚や気道への刺激・皮膚炎等の症状が出てしまいます。また、ベンゼンには発がん性もあります。
有害物質は厚生労働省が選定したこの13種類以外にも数多く存在し、指針値に達していなくても、化学物質に反応してしまうケースが多くある為、どの様な方でも注意が必要です。
人間は一日に約20キログラムの空気を取り込むと言われてます。現在の住居に住んでいてどの症状も出ていないからと言って安心してはいけません。少しずつ空気を吸い込むごとに体内にこれらを蓄積させていっているのです。毎日の生活を送る移住環境の中で、私達はこれら健康被害への対策や改善方法を真剣に考えなければなりません。
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