安全なスキンケアをするには、手作りという選択肢がありますが、ここでは安全な石鹸の作り方をご紹介しましょう。いくつかの方法がありますが苛性ソーダを使用しない石鹸作りを取り上げます。
安全な手作り石鹸を作る前に
まずは、何故苛性ソーダを使わないのかの理由を説明します。石けん作りに欠かせない薬品である苛性ソーダは、毒劇物取扱法や薬事法で劇物と指定されている非常に危険な薬品になっています。石けん作りには濃度にして約30%の苛性ソーダ溶液を使用しますが、このような高濃度の苛性ソーダ溶液は極めて危険で万が一皮膚についたら激しく皮膚を傷つけてしまい、ほんの1滴でも目にはいると失明のリスクがあります。
苛性ソーダの<苛性>と言うのは、「皮膚を侵す性質がある」という意味です。市販されているレンジ用洗剤やカビ取り用洗剤には、油・タンパク質を分解する目的で苛性ソーダが配合されていますが、石けん作りに使う苛性ソーダの濃度はカビ取り洗剤中の濃度より実に50倍も濃くなっています。
こういった危険な薬品を家庭に持ち込むことになりますから相当慎重になった方が良いでしょう。当初は慎重に扱っていても慣れてくると、ちょっとした不注意を起こしてしまうこともあり、事故はこのようなときに発生するものです。
苛性ソーダを使用しない重曹米ぬか石けん
では、より安全な<重曹米ぬか石けん>の作り方をご紹介しておきます。
重曹は、水質汚染で問題とされるBOD・COD値がなく、環境ホルモンも含まれていないため環境にやさしいとさています。また、食品添加物としても使用できるくらい人体に対して安全であり、天然の温泉に含まれる場合は重曹泉といい、俗に「美人の湯」と言われるほどです。重曹の人体への安全性に付いてはのこちらの記事をご覧ください。また、掃除としての活用方法としては「万能で安全な重曹をフル活用」の記事でご紹介させて頂いています。
米ぬかは、美白効果があることで有名で、シミやニキビの原因を押さえ、新陳代謝を活発にしてくれる優れものです。有機米ぬかの石鹸生産者インタビュ−の記事がありますので、そちらをご覧になられてください。
材料は、水600cc・重曹20g・米ぬか200gです。これ以外に必要なものは、材料をまぜる鍋と材料を量る秤だけです。材料の総量が820ccになりますが、熱により膨れてきますので倍くらいの量が入る鍋をご準備ください。作り方は下記の通りです。
まず一番目は、水を沸騰させて重曹を入れて溶かすことにより炭酸ナトリウムを作りますが、出る泡が小さくなったら出来上がりです。重曹を溶かす熱分解することによって炭酸ナトリウムになります。劇薬の苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)よりも安全ですが重曹水が50℃以上になると炭酸ナトリウムもpH10の弱アルカリ性の危険物ですから取り扱いには注意しましょう。
二番目は、鍋に米ぬかを少しづつ加えながら混ぜていきましょう。膨れてきますので大きめの鍋を使うようにして、炭酸ナトリウムを作るときに水の蒸発が多かった場合は、水分が足りなくなることがありますから、米ぬかを入れて焦げそうな場合は水を足してください。
三番目は、10分ほど混ぜると完成で、冷めたら容器に移して固めていただければ完成です。使い方のポイントですが、食器洗いに適しており、水分が飛ぶと硬くなりますので固形石けんとして使用できます。蓋のある容器に入れて冷蔵庫などで保存するとやわらかいままで保存ができますから、お茶パックなどに入れて使うと便利です。
これ以外にも豆腐石鹸、ミョウバン石鹸等の様々な石鹸の作り方を目にする事があります。しかし、苛性ソーダの含まれるものは作らない方が懸命でしょう。
また、廃油石鹸というものもありますが、廃油は過酸化脂質が多いから体にも肌にも良くないという話があります。一方で過酸化脂質は悪玉菌の増殖を抑制するという説もありますが、基本的には食器用や掃除用以外の用途で使用しないことが望ましいです。
では、石鹸以外で体にも掃除用としても使えるものはないでしょうか?それに当てはまるものにガスールという天然泥があります。これは洗顔や洗髪やクレンジング、さらには石鹸の代わりとして食器を洗う事にも適しています。詳細に付いては「安全なガスール(泥)一つで洗顔・洗髪・クレンジングも」の記事でご紹介させて頂いております。
以上、安全な石鹸の作り方をご紹介しましたので、興味があるようでしたらお試しください。
<ユーザー様からのご質問へのご回答>
『苛性ソーダを使わない母乳石鹸』
北海道でシーベリーの石鹸購入しました。シーベリーはヒッポファエオイルと言う美肌オイルをふくむ果実とか。
果実が販売されていますが手作り石鹸つくれますかね。