火山噴火から身を守る方法~御嶽山を教訓に~

身を守る為の知恵

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2014年9月27日11時52分、長野県と岐阜県の県境に位置する御嶽山が噴火しました。今回の噴火は水蒸気爆発と分析され、最初の噴火では火砕流も発生している事が観測されています。

日本国内では、1991年6月3日の雲仙・普賢岳の大火砕流(死者数43人)以来のとなる被害となり、戦後最悪の57人の尊い命が失われる事になってしまいました。

日本には、海底火山を含め110の活火山があり、世界全体の7%に相当します。過去には、寛政年間1792年、雲仙岳で地震や岩屑なだれによって約1万5000人が犠牲になったこともあるのです。

身を守る為の知恵

御嶽山を含む国内47の火山は「今後100年程度の間に中長期的な噴火の可能性がある」(気象庁)と言われてる為、今後も火山噴火が起こる可能性は大いに有り得ます。

そこで今回は、噴火災害から身を守る方法をご紹介させて頂きます。

登山時の火山噴火から身を守る方法

火山災害の要因となる主な火山現象には、大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流、溶岩流、小さな噴石・火山灰、火山ガス等があります。

また、火山噴火により噴出された岩石や火山灰が堆積しているところに大雨が降ると土石流や泥流が発生しやすくなります。それぞれの対策に付いてご紹介させて頂きます。

【大きな噴石】
大きな噴石は、風の影響を受けずに火口から2~4キロメートル以内に飛散して短時間に落下します。建物の壁や屋根を打ち破るほどの破壊力があり、生命に対する危険性が高ます。

被害は火口からに限られますが、噴火警報などに従って火口に近づかないことが重要です。噴火の兆候を感じた場合には速やかに火口から離れて下さい。

噴火に遭遇してしまった場合、ヘルメットやリュックで頭と体(特に背中)を守り、速やかに退避壕(シェルター)や避難小屋、大きな岩陰に身を隠すことで被害を軽減できる可能性があります。

身を守る為の知恵

【火砕流】
高温の火山灰や岩塊、空気や水蒸気が一体となって急速に山体を流下する現象で、大規模な場合は広範囲に広がり、通過域を焼失・埋没させる極めて恐ろしい火山現象です。

流下速度は時速数十kmから百数十km、温度は数百℃にも達する為に身を守ることは不可能で、噴火警報等を活用した事前の避難が必要です。事前に地図などで火口を確認し、近づかない様にしましょう。

【火山灰】
直径2mm以下の火山灰は、トゲトゲ゙しているため吸い込むと喘息の発作が起きやすくなり、咳や呼吸困難等の呼吸器に影響を与えます。また、目の痒みや痛み、充血や結膜炎を引き起こします。

ゴーグルやマスクを着用して下さい。マスクを持参していない場合は、濡らした布を口・鼻に当て、火山灰を体内に吸収しないようにしましょう。目がゴロゴロしたらこすらず水で洗い流し、コンタクトレンズの方は眼鏡に変えることをお勧めします。

火山灰の塊の風が吹いてきた場合は、風下の方に体を向けて下さい。火山灰は、皮膚に付着すると炎症を起こす場合がある為、皮膚に付着しないようにしましょう。また、火山灰は太陽光をさえぎり、視界を悪くします。避難時には充分に注意して下さい。

【火山ガス】
火山地域ではマグマに溶けている水蒸気や二酸化炭素、二酸化硫黄、硫化水素などの様々な成分が、気体となって放出されます。目にみえないものですので、噴火の兆候を感じた場合には、濡れタオル等を口・鼻に当て、速やかに避難をして下さい。ガスの成分によっては人体に悪影響を及ぼし、死亡する事もあります。

【溶岩流】
マグマが火口から噴出して高温の液体のまま地表を流れ下り、ありとあらゆるものを焼失、埋没させます。流下速度は比較的遅く基本的に人の足による避難が可能ですので、必ず流れから遠のざかる用に背後を確認しながら避難して下さい。

【小さな噴石】
小さな噴石は風下に流れ、降下するまで時間がかかります。風下側ではヘルメットやリュックで頭と体を守り、屋内など退避することで被害を防げます。

【土石流や泥流】
火山噴火により噴出された岩石や火山灰が堆積している所に雨や雪が降ると土石流や泥流が発生しやすくなります。例え数ミリ程度の雨でも、火山灰が積もったところでは発生することがありますので充分な注意が必要です。

石流や泥流は、高速で斜面を流れ下り、下流に大きな被害をもたらします。噴火後に雨が予想されている時は、川の近くや谷の出口に近づかないようにしましょう。

噴火した際に逃げる場所は??安全な避難方法

逃げる場所は、噴火した際の自身の場所によって決まります。

【麓に近い場合】
麓近くであれば、口と鼻を覆い、できるだけ火山灰を吸い込まないよう注意しながら下山して下さい。噴石等が転がってくる場合があるので、リュック等で頭を防御するようにしましょう。

【山頂に近い場合】
山頂に近い場合、逃げる場所が限られますが、事前に調べた避難小屋や神社、シェルター等の外気をできるだけ遮ることができる場所に逃げ込みます。

身を守る為の知恵

近くにそれらがない場合は、大きな岩陰にすぐに避難し、頭と体、口と鼻を守りましょう。硫黄臭等の異臭を感じる場合には、噴石に充分に注意しながら、ガスの発生する場所から早急に遠ざかる様にしましょう。

登山時に必ず準備するもの

事前に必ず、登山経路を確認し、山小屋やシェルター等の避難場所・避難経路を確認していきましょう。また、必ず家族や知人に登山に行くことを伝え、 登山前には登山届出所で登山カードに記載して下さい。

<持参するもの>
・防災ヘルメット
・高機能マスク(防じんマスク)
・防塵ゴーグル
・飲料水
・防寒着
・雨具
・家庭用の常備薬
・応急処置用医療キット
・通信機器
・タオル、ハンカチ
・コンパス
・地図(GPS)
・食料(非常食)
・ザック(リュック)
・ヘッドランプ
・時計
・手袋
・ヘッドランプ
・ホイッスル(笛)
・ナイロン袋

いつ起こるのかがわからないのが火山噴火です。万全の準備を期していても、確実に安全ということではありません。しかし、その準備に身の安全を確保することは可能ですので、必ずこれらの準備を行い、安全で楽しい登山を行って下さい。

富士山噴火に備えよう!!家庭ですべき火山被害対策と準備』はこちらからご覧ください。

2015年に富士山噴火!?首都圏・東京の被害は壊滅状態!!』はこちらからご覧ください。

地震や噴火などの災害・緊急時に必要な必需品〜防災グッズリスト〜』はこちらからご覧ください。

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