今年も3分の1が過ぎ、徐々に暑い日が増加し、5月になると急激に気温と湿度が上昇することがあります。まだ体が暑さに慣れていないこの時期は、体内の調整機能が十分に発揮されずに熱中症になる危険性があります。5月に入り、現在までに東京都内では、37名の熱中症患者が報告されています。それでは今回は熱中症についてご紹介させていただきます。
熱中症とは??熱中症の主な症状
熱中症とは健康障害の総称で下記に分類されます。
熱失神
熱失神は、熱中症の中では初期症状とされており、暑さで皮膚の血管が拡張子、血液の流れる量が減少することにより、血圧の低下、脳へ送られる血液量が減少することで起こります。顔面蒼白、呼吸が荒くなる、唇のしびれ、めまい、一時的な失神などを伴う恐れがあります。
熱けいれん
高温下で激しい運動や労働をしたときに、大量の汗をかき、水のみを補給して血液の塩分(ナトリウム)濃度が低下した場合に起こりやすく、足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれんが起こります。筋肉痛や手足がつる、筋肉がけいれんするなどの症状がみられます。
熱疲労
高温下での運動時に大量の汗によって起き、脱水とともに体内に熱がこもってしまうのが原因とされています。また、水分補給をしないことで起こり、熱射病の前段階ともいえ、医師の診察が必要となります。疲労感、全身倦怠感、吐き気・嘔吐、頭痛、めまい・立ちくらみ、強い口の渇きなどの症状がみられます。
熱射病
熱疲労が重症化し、異常に体温が上昇します。発汗が止まり皮膚は乾燥してしまいます。40度以上の高体温、発汗停止、ふらつき、言動が不自然、呼びかけや刺激への反応がにぶいなどの症状が起こり、ひどい場合は意識不明になり死に至る恐れもあります。
熱中症の対策・予防方法
熱中症対策として最も欠かせないのが水分補給です。1日1,000~1,500mlが目安で、食事に含まれる水分以外に飲み水として摂取することが大切です。常温の水をこまめに少しずつ飲み、1回に飲む量は10分間で300mlにしましょう。
また、水分補給をする際に、気を付けなければいけないことがあります。それは、スポーツドリンクでは不十分ということとアルコールでは補えないということです。スポーツドリンクは塩分補給には最適ですが、高齢者には塩分・糖分が多すぎてしまうので2~3倍に薄めて糖分を抑えて飲むことが大事です。アルコールは利尿作用があり、摂取した水分以上に排泄してしまうこともあります。
さらに、皮膚からの熱の出入りには衣服が関係します。暑いときには軽装にし、素材も吸湿性や通気性の良いものにしましょう。屋外で、直射日光がある場合は帽子や日傘を用いることが大切です。室内にいる場合でも熱中症にかかる恐れもあるので、換気や遮光などをし、それでも室温が28度を超えるときには無理をせずエアコンなどの冷房器具を使用しましょう。
睡眠や栄養を十分摂取し体調管理には気を付け、適度に汗をかく運動を行い暑さに負けない体づくりをしたり、車の中にお子様を残したまま車から離れないようにしましょう。
子どもや高齢者、高血圧・糖尿病・慢性腎臓病など慢性疾患をお持ちの方、肥満の方は体調が万全であっても熱中症になりやすいと言われています。
万が一、熱中症にかかってしまった場合
熱けいれんの場合ですと、生理食塩水(0.9%の食塩水)を補給することで回復に向かいます。
熱失神と熱疲労は、日陰など涼しい場所に運び、衣服を緩めて寝かせ水分を補給しましょう。
熱射病は、死の危険性もある緊急事態ですので、いかに早く体温を下げて意識を回復させるかが大切です。熱射病が疑われる場合はすぐに全身に水をかけたり、濡れたタオルを当てて体を冷やします。首やわきの下、太ももの付け根などの大きい血管の部分を冷やすと効果的です。
これから徐々に暑い日も増えていき、熱中症には十分気を付けなければなりません。予防・対策法を知っておくことで防ぐことができますので、これからの季節を乗り切りましょう。
また、熱中症の症状が治まっていてもしばらくは安静にすることが大切です。
『総合南東北病院│熱中症 正しく理解しておくために』
http://www.minamitohoku.or.jp/up/news/minamitouhoku/topnews/200607/nettyusyou.htm
『練馬区サイト│暑い季節がやってきます、熱中症を予防しましょう!』
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/hoken/oshirase/necchuushou.html
掲載画像
『大塚製薬』
http://www.otsuka.co.jp/health_illness/heatdisorder/care_01/
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