化学繊維(ポリエステル・アクリル等)のメリットデメリット

安全な衣料と生産の実態

前回『安心な服?危険な服?』ではオーガニックの天然繊維は安全、それ以外の天然繊維と化学繊維は危険というお話をさせて頂きました。しかし、化学繊維がただ危険なだけのものであれば、現在こんなにも化学繊維の服が世に出回っているはずがありません。そこで今回は化学繊維における、メリットとデメリットをご紹介していきたいと思います。

3つに分類出来る化学繊維

まず復習ですが、『化学繊維』には合成繊維・半合成繊維・再生繊維の3つに分類することが出来ます。主に石油を原料としている合成繊維には、ポリエステル・アクリル・ポリウレタン・ポリエステル・ビニロン・ポリオレフィンがあります。その中でもナイロン・ポリエステル・アクリルは三大合成繊維と呼ばれるくらいに、様々な用途で使用されています。

セルロースやタンパク質のような天然原料に化学薬品を反応させて作った繊維を半合成繊維には、アセテート、トリアセテート、プロミックス等があます。化学繊維はとても丈夫な性質を持つのですが、半合成繊維は熱や摩擦には強くありません。

再生繊維は、植物系と化学系の2つに分けられます。植物のセルロースを化学的に取りだし一度溶かし繊維に作り変えた植物系のものと、ペットボトル等の再生をした化学系の2つがあり、レーヨン・キュプラ・アセテート・ポリノジック等があります<。

衣類に使用されない炭素無機繊維

これ以外に炭素無機繊維というものがあります。炭素無機繊維は無機物質を主成分とし、ガラス繊維・セラミックス繊維・石綿(アスベスト)・炭素繊維(カーボンファイバー)等があります。一般的には樹脂や金属の強化繊維としての使用が多く、衣類に使用されることはありません。

オーガニック衣類

化学繊維のメリット

化学繊維にはどの様なものがあるのかを把握して頂いた上で、まずは化学繊維(ポリエステルやアクリル等)のメリットについてお話をさせて頂きます。

効率の良い生産性でコストも削減

まずは、石油というもの自体が様々な用途で使用されていることからわかる様に、多種多様に加工出来る幅がとても広いというメリットがあります。その上で、最大のメリットとして必ず挙げられることは大量生産が安易に行うことが出来るという事です。安さの裏側には必ずリスクが伴います。「安さ=危険度(リスク)の記事」でより具体的な詳細をご紹介させて頂いております。

紡績(原料の繊維から糸の状態にするまでの工程)は天然繊維でも化学繊維でもどちらでも行われます。天然繊維では麻の繊維や蚕の繭から糸になるように伸ばしていくのですが、化学繊維のみで製造する場合は原料を熱で溶かし、口金から押し出して繊維状にして冷やして固める方法が取られとても効率的に行うことが可能です。

また、近年では技術の向上により紡績での巻取り速度は8,000m/分と言われています。とある実験の結果によると、Tシャツ一枚の糸の長さはおよそ5600mといいます。そのことからおよそ40秒程度でTシャツの糸が準備されてしまいます。

一方でコットンの場合は綿花1個が約95m、Tシャツ一枚はおよそ60個分の綿花が使用されることになります。紡績に掛かる時間は大体340m/分ということですのでTシャツ一枚約16分という計算になります。様々なデータを基に計算したものですので、一概に全てがこの様な結果になるということは断言出来ませんが、その位石油によって製造される化学繊維は効率が良いということです。ちなみにコットン等を手紡ぎした場合は熟練した人でも1日で約200g紡ぐのが精一杯といわれています。

この様に安易に大量生産が出来てしまいます。それに伴い、次のメリットとしては単価や製造にかかるコストが安価で済むという事があげられます。もちろん紡績にするまで、植物の様に種から育てあげる必要はありませんし、製造でも人件費を抑える事が可能です。安全とされる天然繊維オーガニックコットンヘンプ麻)は環境や人体に良い反面、この様な大量生産によるコスト削減が困難です。その為、多くのファストファッションとして化学繊維が出回ることになっているのです。

様々な用途と加工が魅力

そしてもう一つのメリットとしては様々な特徴を出せるという事です。例えば紡績中に色をつければ、天然繊維の染色では出ないようなはっきりとした発色を出す事が出来ます。また、防水効果であったり、物によっては熱可そ性があったり、薬品や油に強い特徴を出す事が可能です。この他にもシワになりにくい、型崩れしにくい、丈夫である、乾きが早い、弾力性に富んでいる等の様々な特徴があげられます。

オーガニック衣類

化学繊維のデメリット

次に、化学繊維素材のデメリットをご紹介させて頂きます。

病気の原因に

化学繊維素材を身に付けているということは石油を常に身に付けていることと同じことになります。ですので人体への影響が懸念されています。詳細に付いては「石油を常にみにつけていると」でご紹介させて頂きますが、化学物質による肌への負担、長期に渡り身に付けていることによる環境ホルモンによる不妊や発ガン、化学繊維によるアレルギーや様々な病気を発症する原因となっているのです。また静電気が発生しやすいことにより、ビタミンや抵抗力の低下等の様々な症例が発症されます。

世界に広がる環境破壊

大量生産による環境破壊にも目を向けなくてはいけません。石油が出来るのには何万年、何億年という歳月がかかります。また、あと140年程度で枯渇してしまうという話も耳にする様になりました。

さらに石油製品は加工時に大量の有害物質が発生する等、環境への負荷は計り知れません。その発生した有毒ガスを吸うのも、また我々人間という事になります。「生産工場からは有毒物質が垂れ流し」でご紹介をさせて頂きますが、世界各地で環境汚染が進み、日本ももはや人事ではありません。

化学繊維のデメリットとしては、これ以外にも吸湿性が少ない、汚れが落ちにくい、日光により変色しやすい、熱に弱い、酸化しやすい等があります。

以上、化学繊維のメリットとデメリットをあげさせて頂きました。今後、衣類の購入時には、一度手に取りこの事を思い出して頂けましたら幸いです。化学繊維素材の衣類を購入する場合は、この様なメリットとデメリットをしっかりと認識した上でお選び頂けましたらと思います。

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