インドの綿花畑の現状 

安全な衣料と生産の実態

前回の記事では様々な国の農民がモンサントのラウンドアップを始めとした劇薬ともいえる農薬の被害に苦しんでいるその現状をお伝えしました。近年では、様々な国の農業が様々な状況におかれていますが、その中でも最も危惧され注目されているのがインドの綿花畑の現状です。

綿生産大国インドの実態

綿花栽培は世界80カ国、31百万ヘクタールの面積で行われており、インドは綿花農場の面積は世界最大で生産量は630万メトリックトン(※1)で中国についで2番目であり、数年内にも中国をも超す可能性があります。インド北部は綿花栽培に最適とはいえない環境の中で行われており、収穫高が少ないのは小規模経営が大半を占めるということと、害虫と干ばつによるものです。その農家のほとんどはわずかな土地しか持たないため、どんなに働いても国の最低賃金すら手に入らないろいう状態が続いています。

オーガニックコットンの栽培面積は全生産量のわずか約0.8%程度しかありませんので、インドでも多くの農民が農薬や遺伝子組み換えの綿花栽培を行っています。インドでは1960年代から化学肥料や農薬の利用が始まりました。

以前にお話をさせていただいたことがありますが、害虫はすぐに免疫力をつけてしまう為、農民は過剰な量の農薬を使用し、より高い効果を期待するようになりました。これが原因となり、農薬を過剰な散布による環境被害が発生してしまい、コットン栽培農家の健康被害が深刻な問題になっています。何時間も農薬を散布しますから、めまいが起こり舌の感覚が麻痺してしまい、ひどい吐き気症状になり食欲が減退してしまう状態が毎日継続し、先天性奇形や癌患者の増加が見られているようです。

オーガニック衣類

モンサントに支配されたインド

2002年になると、インドの農民たちは国から圧力をかけられ農薬が大量に必要なGM種子(GE)の使用を始めました。このGM種子は遺伝子組み換えGM界で世界で最も大きく権力のあるモンサント社のもので、モンサントがインドに介入して広められたのです。

モンサントの遺伝子組み換え綿は「遺伝子に組み込まれた殺虫成分により、害虫のオオタバコガの幼虫から自らを守り、農家は殺虫剤の費用を削減することができ、強力な化学物質を何トンも散布する必要もなく環境にやさしい」という宣伝文句でした。また、当時生産者たちが必死で収穫していた1エーカー当たり4キンタルから、5倍にまで増えるとうたい、その種の値段は高いが十分に利益を得ることが可能と主張していたそうです。それはまるで夢のような種だと伝えら、農民達は生産性の向上による収益の増加を見込み、この遺伝子組換え綿の栽培を始めました。

この遺伝子組換え綿は価格も通常の品種の3倍もかかってしまうのです。肥料・除草剤・農薬等といったモンサントの商品でその種子を育てるために、高価な農薬と種子がセットで販売されています。

また、種子や苗の段階から特許権が掛けられており、収穫した農産物には遺伝子組み換え特許使用料を課せられます。GM作物は種子がならないように品種改良をされている為に、種子は毎年モンサントから購入する必要があるのです。仮に種子があるものでも、次回作には自家採種したものを利用しないとの契約を結ばされます。その契約に違反して遺伝子組換え作物の種子を自家採種し、以後の作付けに利用した農家に対しては知的財産権侵害として訴訟を起こされ農業が続けられないほどに攻め立てられるようです。

貧困と自殺の悪循環

話を少し戻し、インドでGM種子の使用が広がりましたが、その結果は散々なものとなりました。GM種子に組み込んでいた害虫駆除の遺伝子は、インドにいる害虫にはほとんど効果がなかったのです。さらに収穫量も1エーカーあたり20キンタルには全く及ばず、平均収穫高は1エーカー当たり1.2キンタル(約63キログラム)と大幅に減少してしまいました。結果として元の4キンタルを超えた農家はインドのどこにもみあたらなかったといいます。

そして、モンサントのGE綿から生産された繊維は質も低いということが判明しました。通常、1キンタル86ドルだったものが、 1キンタル36ドルでしか売れなくなってしまったのです。インドの多くの農家がこのような事態に陥ってしまい、GM種子での栽培を続けるごとに支出が増え、多くの農家が借金をすることになりました。年を追うごとに借金はかさむという悪循環にはまってしまい、農地を手放す人も増えたといいます。

モンサントが介入した2002年以降、インドの綿農民たちは平均で30分に1人の割合で自殺してしまっているのです。そして、その多くはモンサント社の除草剤・ラウンドアップを飲み命を終えているとされています。

オーガニック衣類

インドに限らず世界の綿花農家の99%は農村地帯に住む小規模の土地所有者で、防護服が手に入らず、識字率も低いため安全についての注意書きを読むこともできないのが現実です。このため綿花の殺虫剤使用を直接の原因とした死者数は毎年少なくとも2万人、入院者数は100万人にのぼるといわれています。不幸にも、このような影響をうけるほとんどが子供たちなのです。

あなたの現在来ている「コットン」とだけ表記された服は、ひょっとしたらこの様なモンサントの魔の手で苦しめられた子ども達の手によって収穫されたものかもしれません。

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