石油はその用途の広さから、衣類や寝具を筆頭に自動車や建設・医療・土木などあらゆる産業分野でも多様に利用されています。しかし、石油自体を触れてしまったり、誤飲してしまうと生命の危険されもあります。石油を原料に製造された化学繊維でも、肌荒れをしてしまうというお話を今までにさせて頂きました。
化学繊維の中には再生繊維と呼ばれるものがあります。これはペットボトル等のプラスティックを熱で溶かし、そこから化学繊維や他のプラスティック製品に形を変えるというものです。つまり、化学繊維はプラスティックと同じという事がはっきりとわかると思います。
化学物質について
前回(化学繊維による肌荒れ)までは化学繊維アレルギーと、『化学繊維』による『アレルギーを始めとした肌トラブル』について絞ってきましたが、今回は『化学繊維』を含む『化学物質』についてお話をさせて下さい。『化学物質』とは、化学反応によって人工的に作られた物質の事をいい、現在の地球上には何十万種類と存在しています。その形状は固体や液体・気体(ガス)やミスト等々の状態で我々の生活の中にあふれかえっているのです。
日常に溢れる化学物質
例えば殺虫剤や芳香剤や防虫剤、農薬や除草剤、洗剤や化粧品、加工食品や車の排気ガス、さらにプラスチック製品や家電製品にも揮発性有機化合物(VOC)が含まれています。基準値を超えなければ人体への影響は無いとしながらも、日々の生活の中で少しずつ体内に入り、長い時間をかけ蓄積され、そしてある日花粉症やアレルギー等の異常が発生してしまいます。つまり、化学繊維を着用して起きる『化学繊維アレルギー』もこれと同じことが言えるのです。
とても苦しい化学物質過敏症
これらの化学物質に体が異常に反応してしまう人がいます。『化学物質過敏症』という言葉を聞いた事はありませんか?この症状はめまいや貧血、痒み等の湿疹、吐き気や頭痛、涙やくしゃみ、意識を失う人まで様々な症状が確認されています。これは先ほども申し上げたとおり、化学物質が体内に蓄積されて発症するため、誰にでも発症の可能性があります。
理解と協力が必須
しかし、見た目ではわかりにくかったり、その症状も人それぞれな為に中々周囲から理解が得られないということが現状です。化学物質過敏症が悪いということは決してありません。むしろ体がその異常な物質をこれ以上取り入れまいと、正直に教えてくれているのです。ですからその様な上場で苦しまれている方への温かい理解と協力が必要です。そして、私たちは化学物質のリスクに付いて、自分自身に取り巻くものとして学び理解しなくてはなりません。
『匂い』への社会的モラル
近年では学校の授業参観に、親の香水は禁止という所も増えてきました。それは過去に隣人の香水により、化学物質過敏症の方が体調を崩してしまったり、意識をなくしてしまった等の症例があった為です。人は空気を吸わない訳にはいけません。匂いには特に注意を払わなくてはいけないのです。アレルギー等、化学物質で悩む人が増加する現代、自己のエゴだけで生活をするのではなく、周囲の人々と共存する上で人間性のある行動とモラルが必要とされます。
近年では子ども向けの安価なファストファッションが数多く出回っております。しかし、それを長きに渡り着用した子どもたちが、私たちと同じ年齢になった時、それを長きに渡り着せてきた親が想像もしがたい苦しみを味わうことになるのです。
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