日差しが強くなってくる季節になると、気にかかるのが日焼けです。特に年齢とともに日焼け対策は、避けては通れません。ここでは、日焼けによる日光皮膚炎の症状と予防法について説明をいたします。
日光皮膚炎とは?
まずは、日光皮膚炎とはどういったものかをご紹介します。日光皮膚炎には、二つの種類があり日光を浴びることによって皮膚が赤くなったり褐色になったりする<日焼け>と、日光に当たることで皮膚炎を誘発する<光線過敏症>があります。
どちらも太陽光線にさらされたお肌がUVと呼ばれる紫外線の刺激を受けることで発生しますが紫外線は、その波長によって紫外線A波(UVA)/B波(UVB)/C波(UVC)に区分され、その中で地上に届くUVAとUVBが日光皮膚炎の原因となるのです。
UVAは、皮膚の深い部分まで到達しますからお肌を赤くすることはありませんが、お肌を黒くする影響があります。皮膚の奥底の真皮に届きますから、お肌の弾力や張りをキープするコラーゲンやエラスチンを変形させてしまい皮膚の老化を早めることになってしまうのです。
UVBは、皮膚の浅い所までしか届かないので、赤くヒリヒリとした炎症を起こします。皮膚細胞の遺伝子DNAを損傷し、シミやしわを作ってしまったり大量に浴びてしまうと皮膚癌を発生させることになります。UVCは、オゾン層によって吸収されるために地表に届くことはほとんどありませんので私達の身体に対する影響は少ないです。
日光が身体にもたらす悪い影響の大部分はUVBによるもので、日焼けによる炎症・皮膚の早期老化・しわ・シミ・皮膚がんなどの原因になります。日本の夏時期は、冬の約5倍程度のUVBが降り注ぐとされており、その紫外線量は午前10時から午後2時ごろまでが最も多く、正午前後がピークとなります。太陽からの直射に加えて、地表からの反射も注意が必要してください。
日焼けの症状は日光によるやけどで、主にUVBが関係しており紫外線が長時間当たり痛み症状が重い場合は、皮膚が腫れて水ぶくれになることもあります。日焼けをして数時間たったころから症状がでてきて24時間後に最も強くなり日焼けがひどいケースは発熱・悪寒・脱力などの症状が見られる場合もあり、熱射病を起こした場合は入院して治療が必要です。
光線過敏症の症状は、(1)薬剤などが要因となる外因性と(2)遺伝疾患や代謝疾患などによる内因性の2つがあり、主にUVAが関係しているのです。
外因性の主なものは、光線過敏型薬疹があります。個人差がありますが薬を飲んでいると普通に生活しているだけなのに日光が当たる部分に発疹ができることがあり、降圧薬・抗菌薬・消炎鎮痛薬などで発症します。
内因性の主なものは、多形日光疹と慢性光線皮膚炎があります。多形日光疹は、女性や日光に当たる機会があまりない人に多くみられる症状で、日光に当たった腕や手の甲などに複数の発疹が見られます。食べ物や薬剤などの中に紫外線を過敏にする物質が含まれていて、それらを摂取した場合に少量の紫外線にも反応して炎症を起こすようになります。
慢性光線性皮膚炎は、中年以上の男性に多く見られ日光が当たった部分に激しいかゆみを伴う慢性的な発疹です。日光が当たらない状態になると数時間で消えますが、広範囲にできると頭痛・体力減退・吐き気などを伴うこともあるので注意をしましょう。
日焼けの治療方法
では、日焼けの治療方法を説明します。日焼けをしたお肌は早めの治療をすることを最優先に考え、熱を持ちヒリヒリした患部に冷たい水を含ませたタオルなどをあてて冷やしましょう。
ステロイド剤は一時的に症状を押さえ込みますが、リバウンドが起こる可能性もある為に、使用してはいけません。焼けどにはアロエが効果があります。アロエ水は、のとげを切り、2~3cm程度に切り、清潔な瓶に精製水と一緒に入れるだけでできあがります。化学物質は炎症の痕が黒ずんでしまうので、薬品の含まれない安全なケアをしてください。
日焼けしたお肌は、数日のうちに自然治癒しはじめますが完全に元の状態に戻るには数週間程度は必要になります。炎症が治まった後も皮膚は乾燥した状態になっていますから化粧水・乳液などを使用して水分と油分を補給してあげましょう。化学薬品の含まれるものは使用せず、ホホバオイルやシアバター等の天然のものがお奨めです。
光線過敏症の予防方法
次に、光線過敏症の予防方法を説明します外出する時には、日光を避けるように肌の露出を控え、日傘を使用してください。日焼け止めをには、紫外線を吸収する<紫外線吸収剤>と紫外線を反射させる<紫外線散乱剤>が主な成分になるものがあります。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して熱エネルギーに変えることで紫外線が皮膚の中に入るのをくい止める作用があります。一方の紫外線散乱剤は、物理的に紫外線をはね返す作用がありますが、お肌が荒れたりかぶれたりすることもあるので、お肌が弱い人を始め、そうでない人も毎日使用すると肌荒れになる可能性は十分にありますので注意が必要です。
日焼け止めクリームは、日光をどの程度防げるかを示すSPF値とPA値という数値によって分けられています。SPF値は、日焼け止めクリームを塗っていない素肌と比較して日焼けするまでの時間を何倍に延ばすことが出来るかという目安の値です。例としてSPF10は、日焼けするまでの時間を10倍に延ばせます。SPFの値が大きいほど、UVBの防御効果が高くなります。PA値は、+、++、+++の三段階に区分されており、UVAを防御効果の高さで表しています。
一般的には日焼け止めクリームが多く使用されていますが、これらも大量の化学薬品が使用されています。ですので、先ほどご紹介したホホバオイルやシアバターを使用するようにしてください。
以上、日焼けによる日光皮膚炎の症状と予防法について説明をいたしました。日常的な紫外線対策を最後にご紹介しておきます。健康的にみえる日焼けですが、実際のところ健康上のメリットは一切ありませんので、野外で活動する際に皮膚が赤くなる兆候があれば、すぐに日陰に入りましょう。
強い直射日光に当たらないようにするためには、(1)日傘を使う(2)サングラスをかける(3)つばの広い帽子をかぶる(4)長そでを着る(5)建物や車の窓ガラスにUVカットフィルムを貼るなどして紫外線対策をしてください。また、食生活にも注意をし普段からビタミンCやビタミンEを多く摂るなどして紫外線に負けない身体づくりをすることも意識して欲しいですね。
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