前回は室内のカビやダニは、アレルギー症状の原因になるということをお話させて頂きました。最近の住宅は気密性が高く温度を保つ環境になっている為、通気性が低いという特徴があり、それによって湿度が高くなりカビが発生しやすい環境になっています。ここでは、カビによる人体への影響と病気についてご説明させて頂きます。
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カビは侮れないほど危険
カビが原因で発症するもので有名なものが真菌感染症です。真菌感染症は表在性真菌症と深在性真菌症との二つに分類できます。表在性真菌症は、真菌感染が皮膚および粘膜に限ら、白癬菌による白癬(水虫、たむし、しらくも)が代表的なものとされています。
深在性真菌症は感染が内臓にまでおよぶ危険性があるのです。真菌感染症で代表的なものは、アスペルギルス症、カンジダ症、クリプトコックス症で三大内蔵真菌症と呼ばれています。空気中を漂っているカビの胞子が原因で、真菌が肺、肝臓、腎臓、脳など、体の深部に入り込んでこのような感染を引き起こします。診断が遅れた場合は治療がとても難しい病気です。
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身体の免疫力が低下している時に、肌や身体の中にカビが生えてしまうと言う恐ろしい症状も発症する可能性があります。抵抗力が低下している時以外でも、小さいお子様やお年寄りも注意が必要です。皮膚を清潔かつ乾燥状態に保つことが健康状態を保つことと同様に真菌症の予防に有効です。また、海外の一部の地域に棲息している真菌の中には健康な人にも感染を起こすものもあります。ですから、海外旅行の計画時には、旅行する地域についての正確な情報を手に入れましょう。
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身近にはカビリスクが沢山
カビは花粉より小く、鼻や目の奥部分にまで進入します。空気中に浮遊するカビの密度は、花粉の1000倍以上だそうです。吸い込んだカビで身体が拒否反応をおこし、大量の痰が出て呼吸困難になる場合があります。症状は風邪に似ている為、ついつい見逃しがちになるので注意をしましょう。
また、食べ物に生えたカビはカビ毒を出し、食中毒や癌の原因にもなります。約300種類のカビ毒の中には、危険な感染を引き起こすものも存在しています。多少のカビでも大丈夫と思わずに、口に入れないようにご注意下さい。徹底的に掃除や除湿を行い、まずは発生を予防することが最重要課題といえるでしょう。
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