今回は近年、とても増加傾向にある『精神疾患』についてお話をさせて頂きます。
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精神疾患とは
精神疾患の原因は、残念ながら未だ十分に解明されていないのが現状ですが、心の発達不全がベースとなり、トラウマ・コンプレックス・人間関係・ストレス・過労・睡眠不足等の悪条件が重なると発病しやすいと考えてられています。精神疾患には鬱、パニック障害、統合失調症、燃え尽き症候群、シンデレラ・コンプレックス、心気症、無気力症候群、青い鳥症候群等の様々なものがあるため、それぞれの症状や原因等をご紹介させて頂きます。
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精神疾患の種類と詳細について
●うつ病 br>
うつ病が発症する原因は心と脳のメカニズムにあります。ストレスを感じる事で継続して活性酸素を生み出し神経細胞が損傷し、最悪の場合は死滅してしまい「神経伝達物質の不均衡」「脳神経細胞間の情報不足」の状態に脳が陥ることで発症につながる健康な神経組織は神経線維が太くてしっかりとしており、脳内の情報を流す電気信号=インパルスがスムーズに流れるのに対し、うつ病の人の神経組織は貧弱で神経線維が痩せていルる為に情報を伝えるための電気信号が途切れてしまいます。
その結果、暴れる・キレる・イライラする等の攻撃性が現れる他、悲しくなる・落ち込む・無気力・不安等のマイナス思考が強い状態にります。神経伝達物質の中にあるセロトニンとノルアドレナリンが減少すると、やる気が低下する為に、うつ病を引き起こすという学説もあります。うつ病には、何かのきっかけが誘因となって発症する内因性うつ病と、ストレスや不安の心理的な原因で発症する心因性・反応性うつ病、身体的な病気や薬剤が原因の身体因性うつ病に分ける事が可能です。
栄養素の不足とうつ病は深く関連しており、ビタミンB12・ビタミンB6・ビタミンB群の葉酸は、気分を落ち着かせてくれて脳神経を健康に保つ働きがあり、正常な神経・脳機能に不可欠な栄養素となります。また、生活習慣では規則正しい生活を心がけることが大切で、十分な睡眠で脳を休めウォーキングやストレッチなど軽い運動の習慣はセロトニンを活性化しストレス発散になります。
●パニック障害 br>
理由も前触れもなく突然、激しい不安と恐怖に襲われ、動悸・頻脈・呼吸困難等の症状と同時に強い恐怖に襲われます。発作をパニック発作とも呼び、繰り返されて発作が起きる事でパニック障害と診断されます。パニック障害の原因は、遺伝的素因との関与も考えられており、ストレスや脳内の伝達物質の動きに関連するという説もありますが未だに解明されていません。パニック障害は発病早期段階に精神科や神経科の専門医の診療を受ければ治りやすい病気ですが、身体的な症状が前面に出る為に心臓・脳・呼吸器等の病気と間違えられて適切な治療がされていないことが多いようです。
パニック障害の症状は約10分程度をピークに少しずつ軽くなり、多くの場合は1時間以内に症状は解消します。症状は息苦しさ・息切れ・ふらつき・めまい・動悸・失神・頻脈・発汗・吐き気・腹部の不快感・しびれ・顔がほてる・体の感覚がいつもと違う・寒気・胸の痛みや不快感等があります。発作が起きた際は「この発作では絶対に死なない」ことを伝え、ゆっくり深呼吸をさせ、頭を低くして静かに休ませ症状が治まるのを待ちましょう。
●統合失調症 br>
統合失調症は10〜20歳代に発祥することが多く、治療しなければ間違いなく悪化していき、慢性化していく人や治療ですぐによくなる人等様々なケースがあります。統合失調症の原因についてははっきりと解明されていないものの、主として脳内にあるドーパミンと呼ばれている神経伝達物質が過剰に分泌されすぎてしまうことで情報処理がうまくいかなくなるという学説が支持されています。さらに体質的なもろさにストレスが加わってしまい精神的なバランスを崩して発症するとされています。
症状は、幻覚や幻聴が発症し本人にだけ脅しや悪口等の恐怖を感じて苦しみます。さらに被害意識の高い妄想をし始める為に、会話や行動が異常になります。ひどい症状になると全く会話にならない状態になってしまうのです。さらには、食事・着替え・入浴等の基本的はことをしなくなり、他人を真似たり突然笑う等の不可解な行動や激しい感情の起伏が多くなります。本人はその症状が病気とはなかなか理解できず、症状が進むと治療が困難になり不治のままになる事もある為に、異変を感じたら精神科に相談することが大切です。
●心気症 br>
心気症とは一般的に言う<ノイローゼ>のことで中高年に多く見られる精神疾患です。特に病気でもないのに重い病気にかかっていると思い込み体の不調を訴え続けます。治療の必要もありませんが心気症と同時にストレス・うつ症状・不眠症・不安・葛藤・欲求不満などの精神的な症状があらわれ、本人が感じる身体的な症状にはめまい・肩こり・物忘れ・頭痛・脱力感・疲労感・ストレス・不眠症・欲求不満・葛藤・不安うつ症状等が発症するケースもあります。
神経質・まじめ・孤独・プライドが高い人に過度のストレスが加わった時に発症することが多く、自尊心が傷ついたり所属や愛情の欲求が満たされずに安心感や安定感が得られなく自己存在を否定してしまうような不安が揺り動かされたケースに心気症を発症するようです。その心の悩みを誰にも話せないことを体の不調に置き換えて訴えている場合もあり、過去の病気や近親者の病気が原因になっていることもあります。できるだけ別のことに興味を惹くように話題を提供したり気分転換をさせると効果的です。
●対人恐怖症 br>
人前での緊張や赤面、人の視線が気になるというった症状がとても強く意識されて日常的な他人との会話シーンでさえも慢性的に現れるようになってしまう症状をいいます。対人恐怖症がひどくなると電車や職場の中でも常に人の視線を気にするようになります。対人恐怖症は日本人に多い精神疾患ですが、ほとんどの場合は30歳までには放置していても自然に治るようです。症状は赤面・発汗・手の震え・めまい・失神等様々で、性交恐怖や異性恐怖等もあります。対人恐怖症に悩む人にはプライドの高さがあります。家族や周囲の人の対応を説明しておきましょう。対人恐怖症は深く悩み自己嫌悪に陥っていることも少なくありません。自発的に人に会いたいというまで根気良く見守ってあげることが大切です。
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●摂食障害 br>
摂食障害は、かつて中高生の女の子が食事を食べずに痩せてくる病気として思春期やせ症と呼ばれていたこともあります。摂食障害は拒食症と過食症の2種類に大きく区分されます。拒食症は食べることを極端に減らし、周囲から見るとやせすぎているのにも関わらず体重が増えることを恐れ、低体重を維持しようとする行動が目立つ様になります。
症状は長期にわたる栄養失調状態による腹部不快感・低血圧・無月経・体毛の密生化・むくみ・しびれ等を引き起こしてしまうのです。一方の過食症は一度に大量に食べてしまい、そのことを後悔し憂鬱になったりストレスを感じ、さらには太ることを恐れて吐いたり下剤を使ったりすることで食べたものを外に排出する行動が目立つ様になります。我慢をしていた物を口にした途端に過食が始まるケースが多く、やせては太るというリバウンドを繰り返し、自分で食欲をコントロールできない自己嫌悪から少しずつ精神状態がうつになり始めてしまうのです。
摂食障害は若い女性に多くみられる過度のダイエットがだけが原因では無く、人間関係の問題による心理的なストレス・不適応・コミュニケーションの不全等が原因とされている精神的依存症の一種です。特に拒食症の場合は自分が病気だとは認めたがらないケースが多いので、家族や友達の温かい協力で必要です。また、家庭環境・性格・家族関係が原因になることが多く、特に2〜5歳児の人格基礎の形成期に母親からの愛情や安全・安心の欲求が充分満たされていない体験や父親が暴力を振るったりアルコール中毒等のアダルトチルドレンの両親のもと育った環境があると摂食障害になりやすくなるようです。
●薬物依存症 br>
薬物等への依存が強くなってしまう事を指します。カフェイン・アルコール・ニコチンへの常識はずれた依存も薬物依存症として区分されて、薬物以外のアルコール・SEX・買い物・ギャンブル等でも同様の症状が生じます。日常のストレス・生活環境・不安定な人間関係をはじめとするメンタルな要因・感情の慢性的落ち込み・脳内神経伝達物質の受容体の化学構造など遺伝情報等の要因が相互に影響と与えあい、薬物への依存度が強くなっていき治療が必要になるほどの薬物依存症になるわけです。薬物依存症の問題は、他の精神的な病気を合併しやすいことがあり、約50%がうつ病や反社会性パーソナリティー障害等の心の病気を併発しています。
また、その原因薬物の摂取をストップしたときに現れる不快症状のことを指す退薬症状が発症し、強いイライラ感・けいれん・頭痛・腹痛・手の震え・発汗・動悸・気分の不快感が現れます。他の心の病気を患っていて不安定な心を癒す方法として原因薬物に手を出してしまうことも多くある為、自分ひとりの力で抜け出すことは困難ですので専門医に相談して適切な治療を受けることは避けられません。
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