近年は個性あふれる様々な住居が増えています。鉄筋コンクリートを大胆に取り入れ、シンプルながらも独創性を感じさせるスタイリッシュなデザイナーズハウスは人目に付きます。そのお洒落なデザインに憧れを持つ人もいるのではないでしょうか?
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9年早く死ぬコンクリート住宅の落とし穴
しかし、見た目重視でデザイナーハウスに住むことは要注意です。以前からコンクリート住宅と木造住宅のどちらが良いか?という論争は行われ、現在でもそれは様々な意見が飛び交っています。
鉄筋コンクリート住宅の最上階の部屋は夏場は要られなくなるほど暑くなるのではないか?という問いに、断熱材を最上階天井に入れ、天井裏を換気できるシステムにし、屋上緑化をすることで大幅に軽減出来るという返答。
コンクリート造は、建設に接着剤を使用しないために、木造の様なシックハウスの心配は無い。という話には、木造でも化学物質を排除した建設をすれば、RCよりも安全という意見。
コンクリは気密性に優れているが、湿気や結露が酷いと言う意見に、木造でも構造によっては結露が発生し、木造であるが為に腐敗するという意見。
この他にも木造とコンクリートでは様々な意見が飛び交っています。RCでも結露は防ぐことは可能ですし、木造でも可能です。つまり、一番の問題は構造上でそれらに対する配慮がなされており、それらに化学物質が含まれていないかが重要であると考えられます。
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コンクリート寿命に付いて
鉄筋コンクリート住宅には上記であげた以外にも問題があるのです。コンクリートも木造も劣化はします。しかし、コンクリートの場合、劣化が始まると補修が利かないという実態が起こります。
コンクリートの劣化要因として、断熱工法が関わってきます。内断熱ではヒートブリッジによって断熱にならないことから、外断熱が主流になってきています。しかし、実際には効果は薄く、強度も弱いという問題も多数取り上げられる様になってきました。
この他にも紫外線にも注意しなければなりません。紫外線はあらゆるものを劣化させる性質があります。コンクリートの屋上は、夏場は80℃程度まであがり、そして夜になり時間がたつと30℃程度まで下がるのです。その20℃~50℃の差により、熱膨張収縮率の差が激しくなり、これを毎日繰り返して表面にはクモの巣のような亀裂が走りだします。
水酸化カルシウムを多量に含むコンクリートは、アルカリ性を保つことで寿命が延びるとされています。亀裂に酸性雨が入り込むことで、中性化現象が起こり、コンクリート寿命が加速されるという悪循環が起こってしまうのです。
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コンクリート・ストレス
そして最大の問題とされていることは、コンクリート・ストレスです。静岡大学が行なったマウスの実験では、コンクリート製巣箱で生まれたマウスを100匹育てたところ、7匹しか生き残れなかったという結果があります。ちなみに、金属製の巣箱で41匹、木の巣箱だと85匹だったそうです。これとほぼ同じ結果が名古屋大学の実験でも報告されています。さらに、コンクリート製の巣箱で育ったねずみはきわめて攻撃的になり、母親ねずにが子ねずみを殺して食べてしまうことすらあるそうです。
他にも、全国の鉄筋コンクリート造校舎と木造校舎でインフルエンザのデータを集計すると、学級閉鎖率が前者では22.8%、後者では10.8%だったことが判明しています。また鉄筋コンクリート造校舎がの生徒は木造校舎の生徒に比べ、「疲れやすい」は3倍、「イライラする」は7倍、「頭痛がする」は16倍、「腹痛」は5倍にもなっているという結果も出ているそうです。
この他には、冬場の底冷えがとても問題視されています。特に女性は冷え性に悩み、不妊症や子宮筋腫、子宮筋腫等の病気の原因になってしまっているのです。さらには身体が冷えにより、気持ちのムラ、やる気がでない、便秘症、生理不順、生理痛、肌荒れ、肩こりや腰痛や頭痛、疲れやすい等の症状が出るケースも多くあります。卵巣や子宮がある下半身は、冷えの影響を受けやすく、常に温かい状態を保つことが大切です。冷えにより、卵管を収縮させてしまう場合も考えられます。
そして、身体の冷えは血液の循環も悪くさせます。血液には、身体のエネルギーのもとになる酵素や栄養素、身体の調子をコントロールしてくれるホルモン等が含まれています。これらが上手く身体全体に行き渡らないと、黄体機能や卵巣機能の低下を招く可能性があるのです。
逆に血液の循環が理想的な活発な状態になると、卵巣への血流が増えてきて、卵巣もホルモンの刺激に対応できるようになってきます。こういうことから、身体を冷やしてしまうと妊娠しにくい状態になってしまうのです。冷えているという自覚がない場合でも、実際は身体の内部の温度が低くなって機能低下になってしまっているケースもあるので要注意です。
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「鉄筋コンクリート造集合住宅の住人は9年早く死ぬ」という言葉もあるのです。一概に全てが危険と断定することは現時点では出来ませんが、木の温もりは我々人間に様々な恩恵を与えてくれていることが分かると思います。
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