喫煙の習慣は身体に害があるのは周知の事実です。ここでは喫煙のリスクと、女性には特にリスクがあることを説明します。
喫煙のリスク
まずは、喫煙のリスクを整理しておきましょう。
癌
タバコに含まれている40種類以上ある発がん性物質は咽頭ガン・肺ガン・胃ガン・食道ガン等…ガンのリスクを非喫煙者の数倍から数十倍にまで高めてしまいます。
動脈硬化の進行
喫煙により末梢神経の収縮や血圧上昇を引き起こしますので、心臓負担が増加しニコチンの作用により悪玉コレステロールの働きが活発化し動脈硬化が進行します。これにより虚血性心疾患である狭心症や心筋梗塞、脳卒中・脳梗塞・脳出血などの生命に関わる病気となるリスクが高まります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
喫煙によって血流が悪化し胃腸の粘膜に対して十分な血液が行き渡らなくなります。これに加えタバコに含まれているニコチンは、胃酸などを過剰に分泌させる作用があるので、胃腸にダメージを与え胃潰瘍や十二指腸潰瘍などのリスクが高まります。
呼吸器系疾患
タバコに含まれている有害物質は呼吸を通じて身体の内部に取り込まれ気管支や肺などの呼吸器に対して大きなダメージを与えます。その結果として、慢性気管支炎や肺気腫・喘息・慢性閉塞性肺疾患などを引き起こすリスクが高まります。
歯周病
タバコに含まれるタールにより歯茎や歯に黒ずみができ、喫煙者は非喫煙者と比較して歯周病が発症するリスクが上昇します。
老化の促進
喫煙により抗酸化物質のビタミンCが不足してしまい体内における抗酸化作用が低下し新陳代謝が乱れて老化を早めてしまいます。
肌荒れ
お肌のターンオーバーを低下させるだけでなく一酸化炭素による血行不良を引き起こし、同時に活性酸素の増加によりシワが増えます。メラニン色素の過剰生成を助ける作用もあるのでシミも増えてしまいます。
脱毛
ニコチン摂取により身体の毛細血管が収縮してしまい毛細血管は体中に栄養や酸素などを送り届ける通路であるのに収縮してしまうことにより全身に栄養が送れなくなります。このため頭皮への栄養も限られてしまい脱毛を引き起こすリスクが高まります。
女性特有のリスク
次に女性特有のリスクについて説明します。女性のライフスタイルが大きく変わり、喫煙をする女性蛾増えました。
英国では喫煙者の半分が女性であり現代女性の典型的な姿であると言われています。そして男女の行動形態は変わらなくても女性の喫煙者の方が、男性の喫煙者よりも25%も心臓病へのリスクが高いことが報道されました。
煙草の煙による毒素は、女性に対してより悪い影響を及ぼします。なぜ、心臓病や肺がんのリスクは、女性の方が高くなるのでしょう。それは、男性よりも体重が軽く血管が細いことなどが主な要因だとされています。同じ煙草の本数を吸った男女では、女性の方が発がん性物質を多量に含んだ毒素を身体に吸収しやすいからです。
女性の場合、体重をコントロールする目的で一種のダイエットの方法として煙草を吸う人も多いですから若年での肺がんリスクも高くなっています。女性の喫煙習慣の大きな引き金は、煙草産業の戦略にも注目しなければなりません。
低迷する煙草産業が喫煙者の少なかった女性に目をつけたのです。パッケージやデザインなど女性が興味や好感を持つようなスリムでお洒落な商品を開発して広告宣伝しているのが理由です。<スーパー・スリム>というネーミングの煙草のパッケージと同時に<煙草を吸うと太らない・痩せる>といった噂が根深いことも問題です。
女性喫煙者は特に、同じ嗜好品でも男女で健康に大きな差が出ることを理解して、煙草と向き合うべきです。
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