日本人の4人に1人の約25%の人たちは、水虫を始めとした足になんらかの症状があるというのですが、、水虫の原因である<白癬(はくせん)菌>は、夏のシーズンに活発な活動をします。ここでは、水虫に関する基礎知識をご紹介いたしましょう。一般的な話しとして、「水虫はなかなか完治しにくい」とされていますが、それはどこに原因があるのでしょう。
かゆい水虫とかゆくない水虫
そもそも、ひとくちに水虫と言いますが色々なタイプがあるのです。水虫はかゆいものだ――と思われがちです。しかし実際はかゆい水虫とかゆくない水虫の二種類があるのですが、かゆくない水虫は全く自覚症状すらありませんから、自分で判断することは不可能と言って良いでしょう。
自分では水虫とは全く気づかず、そのまま放置してしまいますから、本人に自覚症状がないまま同居している家族や他の人たちに知らず知らず感染させてしまうことになっています。こういったことがあるので<水虫は完治しにくい>と言われているのです。
ニセ水虫に注意
一方で、ニセ水虫には注意が必要です。前述の例とは真逆ですが<足がかゆいから水虫だ>というのは大間違いで、足の裏がベタベタとしたり足の皮がむけるのは<異汗性湿疹(いかんせいしっしん)>という水虫ではない全く別の病気の可能性もあるのです。
このように全く違う疾患であるのに、逆の治療をされてしまって症状が悪化することもあるようです。ニセ水虫の異汗性湿疹ができやすい人は手の平や足の裏に汗をかきやすい特徴があるようです。こういうタイプの人たちは水虫にもなりやすいそうですし、水虫も合併している患者さんも少なくないようですから、さらに治療が困難になってくるそうです。
水虫は見た目だけでは正確には判断できず、水虫を診断にはピンセットで足の裏の皮膚を採取して顕微鏡で観察します。採取や顕微鏡での分析も相当の熟練したスキル・知識が必要だそうです。
水虫は一般的に有名な病気のように思えるのですが、水虫治療をするために素人判断をするのはとても危険なのです。テレビコマーシャルでは、簡単に治療できそうなイメージがありますが、それは大きな間違いです。皮膚科専門医による正確な診断をしてもらい、その症状に合ったきめ細かい治療が不可欠です。
年齢毎にデータを区分して水虫になりやすい傾向を分析してみたら、年齢が上がるにつれて感染の機会が増えていくことが判明したという報告があります。皮膚や爪の新陳代謝は加齢とともに遅くなってしまいますから、水虫はどんどんと完治しにくくなります。それを繰り返していると、徐々に急性水虫から慢性水虫へと移行してしまうそうです。
悪化する女性の足環境
女性の社会進出によって、1日中ずっと靴を履いている女性は多いでしょう。そしてハイヒール・ナイロン素材のストッキング・ブーツなど……通気性が悪い環境が足を取り巻いているのではないでしょうか……水虫予備軍かもしれません。冬場にブーツを履いた際の足指の間の湿度を計測したところ、なんと湿度が100%もあるそうです。靴の中で押し込まれて窮屈になっている足先は、水虫が喜ぶ絶好のすみかになっているのでしょう。
湿度が特に高い夏のシーズンで、ストッキングと先の細いパンプスで外回りの営業担当というキャリアウーマンの皆さんは、特に水虫には要注意です。
水虫の正体はカビの一種
水虫の正体は、白癬菌(はくせんきん)と呼ばれるカビの一種です。白癬菌は皮膚や爪や毛などに寄生して起こる感染症といわれています。死んだ角質層・爪・毛などの細胞の中で限定して活動しますから、角質層が厚くなっている足の裏は一番白癬菌がつきやすい場所と言えるでしょう。
しかしながら、白癬菌が皮膚についたとしても、24時間以上かけてゆっくりと角質に入っていく為、すぐに感染することはありません。ただし、足に傷がある場合や軽石で足の裏を強くこすった後などは菌が入りやすくなっている環境になっているため、特に注意が必要です。
水虫の臭いについて
次は、水虫の臭いについて説明します。水虫の種類によって違うのですが、汗やリンパ液の影響を受けて細菌がより一層活発になって活動してしまうので、強烈な独特な嫌な臭いになりやすいです。この嫌な臭いをなくすためには、こまめに足を洗って乾燥させて、常に清潔にしなければなりません。足の先に湿気が蓄積しないように、指の間を広げるのもポイントになります。
以上、水虫に関する基礎知識をご紹介いたしました。水虫は、とにかく温かくて湿った場所が大好きな特性を持っています。海辺やプールサイドや旅館・ホテルのスリッパなど……夏場は特に水虫と遭遇する機会が増えてきます。うっかり油断して感染しないように、真剣に水虫対策を行いましょう。
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