毎年、5月頃になると寝る前に咳が止まらなくなり、苦しい喘息に悩まされているという方も少なくないことでしょう。
人によっては花粉症よりもつらく苦しい思いをすることになるこの季節の喘息。今回は、5月から夏にかけて咳が止まらなくなる喘息の原因と対策についてご紹介させていただきます。
季節の変わり目(5月~夏)に咳が止まらなくなる喘息の原因と対策
風邪、天候・気候の変化、ダニ・カビが季節の変わり目喘息悪化の3大原因
喘息患者を対象に、喘息が悪化した原因を調査した所、第1位が風邪、第2位が天候・気候の急な変化、第3位が運動によるものという結果となるようです。
しかし、季節の変わり目喘息は、通常の喘息とは少し違いがあります。
喘息の悪化が「どの季節に起きたのか」を調査してみた結果によると、9月から1月、5月に喘息が悪化しやすいことが確認されたそうです。
なぜ、この時期に喘息が悪化するのかというと、温度・気圧の急な変化、風邪を引きやすい、ダニ・カビが発生しやすいため等が原因となっているのです。
温度・気圧の急な変化
「季節の変わり目」と呼ばれる4・5月の春、10・11月の秋は、朝方に冷え込み、日中は気温が上昇するといった温度差が生まれます。
5時間以内に3度以上の気温が下がると、心臓発作が起きやすくなるそうです。実際に、このような気温の日には、喘息のため救急外来の受診が増えるという報告もあるそうです。
また、台風の接近や気圧の谷が経過する際には、気圧・湿度・気温が変化することが多く、喘息の原因となるのです。
風邪
上記の季節には温度の変化により、体調が悪化することが多くあります。また、梅雨の時期にウイルスが増殖し、夏風邪の原因にもなっているのです。
気道に侵入したウイルスが気道の炎症を増強し、ぜんそく症状を悪化させてしまっているために、風邪を引くと喘息が悪化します。
カビ・ダニ
近年、大人でも喘息が増加しているのには、住宅の気密性が高まったことにより、カビやダニが室内で増殖し、それにより喘息が発症するというケースや、免疫力の低下による発症のケースが増えているようです。
20歳代では、ダニ・スギの花粉に対して80%以上の方がアレルギー(陽性)を起こすという結果や、犬・猫のフケに対しても50%の陽性率を示すことが明らかになっています。
また、カビ、コギブリ(フン・死がい)の陽性率は全年代で15~30%にもなるそうです。
季節の変わり目(5月~夏)喘息の予防と対策は??
まず、一日の寒暖差がありますので、日中は暖かくても夕方は寒くなることを予想し、外出時には上着を一枚準備して出かけましょう。夏場でも電車やオフィスは冷房で冷えることがあるので必須です。
梅雨時期は室内も湿度が高くなっていますので、室内のカビには十分な注意が必要です。
朝は窓を開けて空気の入れ替えを行いましょう。
布団やベッド等のダニが発生しやすい場所には、湿気を篭らせないように、天気の良い日に天日干ししたり布団乾燥機を利用してください。
雨の日でも外は室内よりも湿度が低いことが多いので、弱い雨でしたら窓を開けると良いでしょう。
雨が強い日や夜間等は、除湿器を使用して室内の湿度コントロールを行います。
水回りやエアコンの送風口等のカビが発生しやすい場所は定期的に掃除を行なってください。
外出時には、黄砂や車の排気ガス等にも注意し、マスクを着用する等の予防を行うと良いでしょう。
ストレスは喘息発作の原因になります。ストレスを溜め込まないように体を動かして、活動的な日々を送りましょう。
▼こちらの方法で、苦しい喘息を改善された方もいますので、ぜひご覧ください。
『なかの呼吸器・アレルギークリニック』
http://www.ynakano-cl.jp/respiratory-allergy/asthma/asthma02/index.html
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