これまでは安全な素材としてオーガニックコットンのご紹介をさせて頂きましたが、今回からはもう一つの安全な素材として『麻素材』に付いて触れさせて頂きます。
br>
実は身近な麻素材
「麻」と聞くとあまり馴染みの無いように聞こえるかもしれません。そこでお持ちの衣服の中で、特に夏に着用するものの品質表示タグをご確認して頂ければと思います。そこには「リネン」「ヘンプ」「麻(指定外繊維)」等といった表記がされています。これらは全て麻が原料になります。麻と呼ばれる繊維作物には様々な種類があり、その用途も様々なです。
br>
麻は種類が様々
一番多く見かける「亜麻」はリネンやフラックスと呼ばれ、アマ科の一年草になります。中国やフランスで多く生産され、日本では北海道が産地です。用途はシャツ等の服や帆布、芯地や魚網等に利用されています。
「大麻」はヘンプと呼ばれ、アサ科の一年草になります。中国やフランスで生産され、日本では栃木や長野が産地です。用途は衣類や混紡地、蚊帳等様々な用途で利用されています。
「苧麻」はラミーと呼ばれ、イラクサ科の多年草になります。中国やブラジルで生産され、日本では福島を中心とした本州各地が産地です。用途はシャツ等の服や寝装具、資材や芯地、魚網等に利用されています。
「ジュート麻」はジュートや黄麻と呼ばれ、シナノキ科の一年草になります。インドや中国やバングラディッシュで多く生産され、日本では熊本や大分が産地です。用途は麻袋や括糸、導火線やカーペットに利用されます。
「マニラ麻」はバショウ科の多年草です。フィリピンやエクアドル、コスタリカで生産されており、ロープや魚網、マットや機能紙等に利用されています。
「サイザル麻」はヒガンバナ科の多年草です。中国やブラジルで生産され、ロープや敷物として利用されています。
「カナフ麻」は洋麻とも言われ、アオイ科でインドで生産されており、麻袋や製紙原料として利用されています。
この様に様々な麻があるのです。これらの麻は、どの様な環境下でも農薬や化学肥料をほぼ使用せずに短期間で驚くほど成長します。ですので、通常の農作物栽培の合間に麻を育てることが可能で、同じ畑で同じ作物を作り続けるとおきてしまう連作障害を回避することが可能です。他の植物と輪作に適した作物なので、土地の有効活用と、アロレパシー効果もある為、土壌の改良に適しています。
br>
日本では古来から麻は生活の一部として利用されてきました。麻繊維は高温多湿の日本にはとても向いており、通気性のよさや吸水性は日本人の生活には欠かせないものでした。その多様性と環境への負荷の無さから、麻は至高の天然繊維とも言われています。
コメント