オーガニックコットンは製造から商品加工まで一切の化学薬品を使用しません。しかし、通常のコットンは栽培で大量に化学薬剤を使用した後に、加工でも太陽に加工剤や補助剤を使用し、薬品付けのケミカルなコットン生地を製造します。
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コットン加工も薬品だらけ
その主な加工には漂白・染色加工、柔軟加工、防縮加工、防汚加工、撥水・撥油加工、防塵性加工、形態安定性加工、防ダニ・抗菌加工、消臭・脱臭加工、難燃・防炎加工、紫外線遮蔽性加工等があり、数多くの工程を施されながら製品になっていきます。
糸が切れることを防止するために化学糊を使用し、染色加工ではコットンの油成分を薬品脱脂や塩素系の漂白剤を使って漂泊してから化学染料を使用して染め上げられて製品となっているのです。また苛性ソーダや硫酸や定着剤も使用され、仕上げにはホルマリン系の防縮加工剤やカチオン系柔軟仕上げ剤等も使用されています。
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危険な化学薬品が使われる理由とは?
例えば、高級なタオル専門店や女性用のナプキン等に頻繁にキャッチコピーとして記載がされる“しっとりした感触のコットン”は、石油化学薬剤で再現した“しっとり感”なのです。また、ビビットカラーや蛍光色を始めとした発色の濃い色の物は化学染料を大量に使用しているものがほとんどです。
これ程の工程を行う為、加工の際に使用された水が工業排水として大量に出されています。そして、それらの汚染された水は正しい処理を行われずそのまま排水をされ、その地域の河川を始めとした環境を汚染しているという現実があります。その河川の水を住民が使用し、魚や動物も使用して様々な病気を患うことに繋がってしまっているという悲惨な実態があるのです。また、現地での作物栽培にもその汚染された水が使用され、化学物質が残留した危険な食物を周囲の人間が口にし、さらに病がまんえいしてしまいます。
これら紡績や布地の加工工程で使われる加工剤や補助剤については、化学薬品を使用しなくても補うことが可能なのです。例えば蜜蝋やコーンスターチ、馬鈴薯澱粉やゼラチン、ミョウバンやクエン酸、ソーダ灰(炭酸ナトリウム)や天然油、食塩や重曹(炭酸水素ナトリウム)や酢酸等、食品にも使用される安全なものでの代用が可能です。しかし、コストや生産性を重視するが故に、環境も人間も破壊させる危険な化学薬品を大量に使用している実態が殆どなのです。
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薬品を使用しないオーガニックコットン栽培
コットンは種の段階から薬品付けにしてしまいますが、オーガニックコットンでは種に何も使用しません。有機堆肥を使用した有機土壌で栽培が行われ、手作業による除草および天敵益虫による害虫駆除が行われます。
通常のコットンはこの段階で、化除草剤や殺虫剤を大量に使用し、収穫期になると学兵器として使用された枯葉剤で一気に枯らして収穫をします。オーガニックコットンの収穫では、水路封鎖等により自然に枯れさせる方法がとられているのです。
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加工も自然のものを
紡績では、蜜蝋や小麦粉、菜種油や果実汁等、安全なものがが使用されています。そして加工では、温水と天然石鹸での加工が行われています。この様に、通常のコットンとオーガニックコットンではその工程や使用されて来ているものが全く変わっているのです。
オーガニックコットンの値段は、通常のコットンよりも高値になってしまうという現実があるのです。しかし、農家を始め、環境、動植物、我々消費者と多くのものを助けてくれます。その料金の違いは、工程の手間とこれらに対する愛の印なのではないでしょうか。
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