くも膜下出血の知識と対策

病気と現代医療

くも膜下出血は脳卒中の症状のひとつです。脳卒中は中年の男性がなるというイメージがありますが、くも膜下出血は男性より女性のほうが2倍の確率で発症しやすいというデータがあります。

最も発症しやすい年齢は、働き盛りの40代頃がピークになっていますが、10代後半ぐらいの若い年齢でも発症しうる病気ですから油断をせずに、日ごろから注意しておく必要があります。

 

くも膜下出血の基礎知識

では、くも膜下出血の基礎知識として、症状や原因をご説明いたします。くも膜下出血は、脳を保護する(1)硬膜・(2)くも膜・(3)軟膜の3つの層から成っている脳膜のうちのくも膜と軟膜のすき間にある太い動脈から出血することで発症します。

症状として現れるのは、突然の頭が割れるような頭痛・嘔吐・意識障害・首筋のこわばり・視力低下・手足マヒなどが見られます。出血発作が激しい場合は、けいれんが起こり頭痛と同時に意識を失うこともあり、重症の場合は、意識が回復しないまま死亡することも珍しくありません。

一般的には、くも膜下出血を初めて発症した方のうち、回復するケースが3分の1、重い後遺症が残るケースが3分の1、死亡するケースが3分の1と言われているほど死亡率が高くとても危険な病気であると認識しておきましょう。くも膜下出血は中年以上の人では脳の動脈にできた脳動脈瘤、若い人では生まれつき持っている脳動静脈奇形というものが破裂して出血して起こるものです。

 

くも膜下出血の対策

くも膜下出血の対策方法をご紹介しておきます。くも膜下出血の原因を引き起こすのは、飲酒や喫煙・精神的ストレス等があり、日ごろからの生活習慣に注意が必要です。

くも膜下出血を発症する人のうち、3割前後の人には警告出血による次のような前兆が現れる為、もしこのような症状が出たらすぐに病院で診察を受けて下さい。●激しい頭痛が度々ある●物が二重に見えることがある●片方の目の瞳孔が拡大する●寝ている時に大きないびきをかく●ろれつが回らないときがある これらの症状が定期的に起こったり、継続的に起こる場合は要注意信号です。

 

予防方法は当たり前のことですが、喫煙や大量の飲酒は避けることです。食事療法では、とくに塩分に気をつけましょう。塩分過多は血圧を上げ、血圧が高いと脳の血管を傷める原因になります。塩分の量を減らし、1日10グラム以下に抑えることを心がけてください。
血圧の上昇はなにより危険ですので、便秘は必ず解消させ、食物繊維やたんぱく質を摂取し、コレステロール値を下げるよう努めねばなりません。たんぱく質は、血圧を下げて血管を強くする働きがあります。カリウムやカルシウムが、ナトリウムを排出して血圧を下げてくれます。
食べ物としてお奨めなのが、ごぼう・大豆・玉ねぎ・大根を摂取してください。

 

くも膜下出血と診断された場合

くも膜下出血と診断した場合は脳血管撮影を行います。股の動脈から針を刺して脳の血管にカテーテルを入れて造影し、この検査で破裂した脳動脈瘤を確認します。MRIはくも膜下出血の急性期にはあまり有用ではありませんが、MRAと言うカテーテルを入れなくても脳血管を写しだす方法で脳動脈瘤の診断ができます。

脳動脈瘤は破裂前に分かることもあります。動眼神経麻痺といって、片方の瞼が開かなくなり両目で物を見るとダブって見えるようになることがあります。これは後交通動脈瘤という動脈瘤が大きくなり動眼神経を圧迫した時に起こりますから破裂の前兆と考えられる為入院して手術を行います。

また動脈瘤が視神経を圧迫することによって視野が欠けたり視力が落ちたりすることもあります。くも膜下出血の頭痛より少し軽い頭痛があって見過ごしていると、そのあとにくも膜下出血を起こす例がありますが、これは少量のくも膜下出血が起こったものと考えられ、警告頭痛ともいわれます。この時点で入院して治療ができている例はあまりありません。

最近ではMRAが簡単にできるようになり、他の病気でMRAを撮影したり脳ドックで検査をした場合に破裂していない未破裂脳動脈瘤が見つかることが多くなってきています。脳ドックの調査によると未破裂脳動脈瘤は40歳以上の中高年の約5パーセント以上の人が持っていると考えられます。70歳以上では10パーセントを超えるというデータもあります。

病気に付いて

 

家族の2親等以内にくも膜下出血の人がいた場合は、約10パーセント以上の保有率になっており家族で同じ病気になる確率が高い傾向がみられます。未破裂脳動脈瘤の破裂率については、年間0.05パーセントから2パーセントと報告されておりはっきりしたことがいえない状況ですが、100人に1人前後が一年間の間に破裂すると考えて間違いないでしょう。

最近では未破裂脳動脈瘤が見つかった場合に5mm以上、70歳以下であれば破裂する前にネッククリッピングやコイル塞栓を行って破裂を予防する手術が行われていますが、この治療法にもリスクが伴います。ご自分の家族がくも膜下出血を起こした場合、心配であればMRAの検査を受けてみるのも良いでしょう。

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