前回はオーガニックコットンの詳細と実態をご紹介させて頂きました。しかし、普通のコットンとオーガニックコットンの見分けはつくのでしょうか?
その答えは“ノー”です。見た目では見分けることは出来ません。
オーガニックコットンの場合は、製造工程でも化学薬品をしない為に、綿繊維の持つ本来の風合いはでています。しかし、普通のコットンを同じ様な風合いを付け、オーガニックコットンとしても見分けることは不可能です。そのためにオーガニックコットンの認証が必要不可欠となります。
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国によって違うオーガニック認証
オーガニックコットンと表示するには、第三者認証機関による認証を受けなければなりません。認証の為の確認の仕方は、各国・認証団体などによって様々です。例えば、自国で綿花生産を行うアメリカでは国内の農民を対象に認証を行っていますが、ギリシャやスペインを除く欧州では輸入をしている為、生産国等で民間の認証機関が認証や生産指導を行っています。
アメリカでは、2002年10月から全国統一の規定が法律で管理され、正式に認可を受けた民間の認証機関が認証作業を行ってきました。現在では、それら民間の認証機関がそれぞれの基準で認証を行っています。欧州では、IFOAM(国際有機農業運動連盟)の基準をベースとして、民間の認証機関が認証を行っています。
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調査方法の違いは?
調査方法としては、アメリカでは農地の比較的近くに認証機関がある為、抜き打ち立ち入り検査を実施しています。また、申請書類のチェックから始まり、土壌・種・葉・実・繊維等の化学分析や状況確認聴取、作物出荷時点での確認聴取なども厳格に行われています。
欧州の検査機関では、本部からスタッフが出張し認証作業を行ったり、支所を設けてそこから派遣されたスタッフが認証作業を行っています。双方の認証基準には若干の違いはあるものの、検査方法はほぼ同一といった内容です。
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畑でオーガニックの見分けを
始めにお話したように、普通のコットンとオーガニックコットンの見分けは綿花や製品で付けることは困難です。しかし、この様な調査を行う為、畑での見分けは可能となります。特に除草剤や落葉剤が使用されたばかりの畑では、調査以前に一目瞭然の状態で把握することが可能です。
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オーガニックコットンは、通常のコットンよりも高値で取引される為、そのような状況を勘案し農家が実施に踏み切ります。しかし、有機栽培と認められる為には3年間に渡りその農地で有機栽培を続けなければ有機栽培作物とは認証されません。
品質と均一性、安定した供給が求められる工業生産の原料として、この様な生産に踏み切ることはとてもリスクを伴います。しかし、その一歩が今後の人類を救う大きな一歩となる事は間違いありません。
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