前回はヘンプは安全で、特に産業用大麻は様々な用途で使用する事が出来る、まさに未来を救う植物という事をお話させて頂きました。そこで今回は、ヘンプのメリットに付いて徹底的にその良さをお伝えしていけたらと思っております。
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ヘンプの多様性と可能性
ヘンプは百日草と言われる事もあり、わずか100日で3~4メートルにも成長する一年草です。ヘンプの種子は多くは中国、そしてフランスやハンガリー等のヨーロッパでも多く生産されています。現在、産業用大麻を栽培している国は次の国々があります。
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ロシア・中国・北朝鮮・韓国・インド・フランス・ポーランド・ハンガリー・ルーマニア・イギリス・オランダ・オーストリア・ドイツ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・スウェーデン・・・。
さらにはアメリカでは嗜好品として最近では広まりつつあるほか、日本でもわずか数箇所ながらも栽培がされています。こぞって様々な国が解禁したのには訳があるのです。
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農家も環境も守る
ヘンプは雑草や害虫に強いく、除草剤や殺虫剤は必要としない為にこれらの出費が農家にかかりません。さらに農薬や化学肥料等を使用しない為に、土壌汚染や農家の健康被害、水質汚染や他の動植物の生態への影響が出ずに済みます。
また、トウモロコシや小麦との輪作に適した作物なので、連作障害も無く土地の有効活用ができる上に、土を柔らかくし、より他の植物が育ちやすい土壌環境を作り出してくれるのです。つまり、農家にとっては非常にヘンプ栽培は新たに低リスクでスタートしやすいことがいえます。このようにヘンプはオーガニックと名付ける必要が無いほどに、完全なオーガニック生産が可能です。また、CO2の吸収量が多いともされています。
1トンの繊維を得るときのエネルギー消費量で比べるとのコットンが25.2GJに対し、ヘンプは8.2GJとわずか3分の1のエネルギーでの生産が可能です。しかし現状はまだ化学薬品漬けコットンの305分の1程度の生産量しかありません。仮に、これをヘンプ生産に買えると地球環境や世界での農薬使用量は大幅に変化することでしょう。
ヘンプの魅力はそれだけに収まりません。ヘンプは全ての部位を有効的に活用できます。茎の繊維部分は、糸や編み物等に使用され、茎の木質部分(オガラ)は紙や建材やエタノール燃料として使用されます。種は食用や油や化粧品、葉は医療品や肥料、花穂は医療品、根では土壌改良と様々な用途に活用することが可能です。その数は、3万種をも上回るといわれており、プラスチックの原料となることから、生産が増えれば次世代のバイオマスエネルギーとしても注目されているのです。
石油はあと30~50年で枯渇すと言われるものの、石油事業者は石油の無機起源説を出し化石燃料は枯渇しないといいます。しかし、全ての資源には必ず限りがあり、石油は何百、何千年と歳月をかけてようやく出来上がる自然からの恩恵です。しかし、ヘンプはわずか100日間で収穫することが可能で、枯渇性資源に依存しない再生可能な循環型社会の構築に貢献できる植物なのです。
現在、世界では森林伐採が大きな問題になっており、1時間に東京ドーム127個分の森林が消失し、地球環境や生物への影響が懸念されています。人口増加に伴う薪炭材利用や、建材や製紙に使用する木材消費量の増大が原因です。ヘンプの茎からは建材や紙、茎を利用した麻炭の製造が可能な為、ヘンプの生産と需要が世界的になれば、かなりの量を削減することが可能です。
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医療への可能性
また、医療用としても大きな効果が注目されています。カリフォルニア州の医療用大麻推進団体によると、250種類の病気に効果があると報告がされています。 近年では世界中の医療機関が改めてその効果に注目をし始めました。日本国内でも大塚製薬が動き出したそうです。
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元々、麻が禁止になった事には、アメリカの支配戦略の一環ともされており、戦後の石油化学工業の発展には、この様な多様性のある麻は邪魔な存在であったともされています。そして日本のメディアや国家により、全ての麻が悪で危険であるというイメージを多くの人がすり込まれてきました。
今後の地球環境と我々人間を始めとした生物を守る為にも、正しい知識を身に付け、ヘンプの普及に自身でも何が出来るのかを考えなくてはいけない時代が来ていると思います。
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