長きに渡り、化学繊維や化学薬品が大量に使用されるコットンは危険、そしてオーガニックコットンとヘンプを始めとした麻素材は安全とご紹介をさせて頂きました。では、結論として一体どの様な服が一番安全なのかをご紹介させて頂ければと思います。
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オーガニックコットンやヘンプでも注意が必要
まず、通常のコットンでは大量の農薬が使用されていますが、オーガニックコットンはそれらの使用が禁止されています。三年間に渡り、化学肥料を使用していない農地での栽培でなければオーガニック認証がおりません。さらに、加工段階での化学薬品の使用も禁止されています。ですので、化学物質アレルギーの方でも安心して着用することが出来ます。
ヘンプやリネン、ラミー等の麻素材は虫を寄せ付けない性質がある為に農薬等を必要としません。ですので、既にオーガニックと言える素材です。これは前回までに何度もお話をさせてきております。
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染色には注意
しかし、オーガニックコットンやヘンプでも注意が必要です。大半の服は糸の段階で色が付けられて形作られていきます。仮にこの後、とっても濃度の濃い化学染料で染色してしまっては元も子もありません。染色されていない状態では、生成りやブラウン、薄緑のような状態であることが殆どです。もし色付きの製品が欲しい場合には、天然素材を使用し染色されて物を選びましょう。
この天然染料は基本的には青や紺、赤や黄色や茶色系の色はあまり濃くなることはありません。原色に近いはっきりとした色のものは化学染料がしようされていることが多いので避けるようにしましょう。また、天然染料で染め上げたものでも、上記の色以外でも極端に濃いものがあります。その場合は、染色の助剤として何が使用されているのかを確認するようにしましょう。
天然染料での染色は、化学染料と違い色にムラが出来てしまうことが多くあります。また、コストや手間も非常にかかってしまうのです。そういった事から、大手のアパレルメーカーはこのリスクを回避します。その為、天然染料を行っているメーカーやブランドは殆どが小規模の会社で小規模の生産を行っています。
しかし、これにはメリットとデメリットがあります。デメリットは、小規模生産の為にどうしてもコストが高くなってしまいます。大手ブランドのような価格では消費者に渡りにくいという現実があります。
メリットとしては大手とは違く、生産者の顔がしっかりと見えると言うことです。中には経営者自らが染色を行っている所もある為、気になった事や質問等をより投げかけやすくなります。
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プリントにも注意
染色のほかにも気をつけなくてはいけない事があります。それはプリントです。以前もお話させて頂いた様に転写プリントは化学薬品を含み、人体へ負荷をかけます。
服のプリントには染め込みプリントというものもあります。これは染料をロゴマークやデザインの形で染めるというものです。また、バティックとうロウケツ染めが行われているものも多くあります。しかし、これらの方法は天然染料の様な染まりにくいものでは中々再現することが出来ず、染まりやすい化学染料を使用していることが殆どです。その様な商品が気になる場合は、一度どのような材料が使われているのかを問い合わせてみることが良いと思います。
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見落としがちな化学繊維のミシン糸
また、縫製されているミシン糸に付いても同じことが言えます。天然繊維の糸よりも化学繊維の糸の方が強いとされている為、多くの服で化学繊維の糸が縫製で使われています。特に敏感な方はこの糸だけでも症状が出てしまうことがあるのです。
中には天然繊維で縫製されている商品も多くありますので、事前に問い合わせるといいでしょう。個人差はあるかもしれませんが、経験上のお話をさせて頂きますと天然繊維の糸で縫製された物を既に5年以上も着用していますが、確かに糸は少しずつホツレが出て来てはいるもののまだまだ着用出来る状態ではあります。
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これらのことに気を付けながら、より安全な洋服選びをして見ましょう。最後にもう一度お浚いをさせて頂きます。一番安全な服はオーガニックコットンやヘンプ等の麻素材を材料とし、無染色か天然染料で染められ、天然繊維の糸で縫製れたものとなります。
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