近年メディア等でも頻繁に『現代病』という言葉が取り上げられており、目にする機会が多くなったとともに、周囲の人たちの中にも現代病にかかって苦しんでいる人を多く見かける様になりました。現代病とは、現代のライフスタイルや環境が過去の生活習慣と比べて違っていることから発生・蔓延する時代を反映した流行病だとされています。今回から様々な病気にテーマを絞り、様々な角度から考えてみることにしましょう。まずは現代病についてお話をさせて頂きます。
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現代病の原因は?
現代病と言われるものは、凄い数が上げられます。癌・高血圧・糖尿病・心臓病・動脈硬化・白血病・狭心症・喘息・アトピー・無気力症候群等、上げたらきりがない程に様々な病気が名を連ねます。では、なぜこんなにも沢山の数の現代病が存在するのでしょうか。その原因として考えられるひとつには、時代の変化によりライフスタイルが大きく変わったことが考えられます。戦後以降、衣食住の全てにおいて西洋文化が入ってきました。衣服は和装から洋装に変わり、素材も麻や絹から石油化学で作られたポリエステルやナイロンが主流となりました。食物においては、和食から化学調味料を大量に含む加工食品や脂質や糖質が多く含まれる洋食や外食チェーン店での食事が増えています。住まいについても木造建築から、化学加工されたRC住宅へと様変わりしてきています。さらには日々の中でストレスを感じる会社での人間関係や残業、そして娯楽の増加や生活の利便性による不規則な生活を繰り返す事で、心身共に様々な病気が蔓延するようになりました。
肥満の増加やコレステロール値の上昇など客観的な数値でも変化が見られ、特に肥満は世界的に増加している大きな問題になっています。世界の生活習慣病や肥満の動向を調査した国際研究によると、肥満の割合は1980年以降約30年でほぼ2倍になったという報告があり、高コレステロールの割合は北米・南半球・欧州諸国では低下傾向にありますが、東アジア・東南アジア・太平洋地域では増加しています。肥満・高血圧・高コレステロールは裕福な先進国だけの問題ではありません。現在は低所得・中所得の国々や地域にも拡大して全世界的な課題になってきているのです。
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予防医学が大切
同時に西洋医学の限界性が大きな原因にもなっているのではないでしょうか。近代医学の基礎になっているのは<パスツール医学>だと言われ「病気の原因は菌であり、菌さえ殺せば病気は治る」という考え方で、現代でもその考え方が継続されています。病気の際には薬を処方するか、もしくはその他の方法で菌を消滅させる治療方法が当然のように現代も行われているのです。例えば、がん患者の抗がん剤投与の場合には、様々な重い副作用が現れます。白血球減少や貧血や出血傾向が現れる骨髄障害・悪心・嘔吐・下痢による脱水症状・腎毒性・出血性膀胱炎・肺毒性による肺線維症・心毒性・神経障害による抹消神経炎や難聴・脱毛や感染症等、その症状は様々です。そして外科的療法でがん細胞を切除しても、がんそのものはなくなりません。がん細胞がどうしてできたのかを突き止め、そこから改善させる事が大事なのです。ベッテン・コーヘル医師は、「病気の原因は菌ではなくて、菌が宿りやすい抵抗力がない体が問題なんだ」とパスツール医学に異を唱えています。つまり、体全体の機能を変え、ウィルスや病気に負けない身体作りをしていくことが本当の健康をつくることになるのです。
抵抗力の強い健康的な体を作るには、食事を始めとした生活習慣を見直す必要があります。前回お話をさせて頂きました通り、ストレスや睡眠や身体の冷えに気を配り、バランスの良い栄養を充分に摂取することで、抵抗力の低下した体全体の機能を変えて行かなければなりません。「現代病は近代医学で治すことはできない」と言われる事がありますが、これが近代医学の弱点でもあり、自分の体は自分で予防して治すという予防医学に結びついていきます。抵抗力のない体になってしまっている事が、現代病の大きな原因の一つなのです。
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今後、現代病はどのように変わっていくのでしょうか。TPPに参加をする事で、海外から今までに無かった農薬を使用された食品や遺伝子組み換え作物が低下価格で店頭に並ぶ様になります。それを食し、癌等の病気にかかる人がどんどん増え始めます。しかし、TPP参加により莫大な治療費がかかる様になり、富裕層以外は治療さえもままならない状態になてしまう事も考えられます。また、原発の問題は未だに解決していません。海洋汚染や空気汚染によって、様々な病気が発症する人が増加してくることでしょう。その為にも、より安全なものを食べて、より安全で規則正しい一日一日を過ごす事が重要になってきます。私達現代人は今までの考え方を改め、抵抗力の強い健康的な体をつくることを最優先課題と考えなければならない時期にきていると思います。
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