あなたが今着ている服はどの様なものでしょうか?素材は何ですか?メーカーはどちらですか?プリントや染色はされていますか?お値段はおいくらでしたか?いきなりこのような質問をされては殆どの人が戸惑ってしまう事でしょう。しかし、これはとっても重要なことなのです。
流通するファストファッション
近年の日本では、数多くのファストファッションブランドが全国に店舗を構えています。ファストファッションとは、低価格に抑えた衣料品を、短いサイクルで世界的に大量生産・販売することをいいます。国内にはもはやだれしもが知っているブランドであるUNIQLO(ユニクロ)や同系列のg.u.(ジーユー)等があります。また、海外からもGAP(ギャップ)やFOREVER 21(フォーエバー21)、ZARA(ザラ)やH&M(エイチアンドエム)等が都市部を中心に様々な場所に店を構えています。
国内シェアNo1のユニクロ
特に国内でのユニクロのシェアはとても高く、インナーウェアからTシャツ、ジャケットを始めとしたアウターから寝巻きまで様々な商品展開を行っています。2010年の秋冬用保温性インナーの販売数量のシェアでも、ユニクロのヒートテックが49%と1位を独走しています。2位はしまむらのファイバーヒートで21%、3位はイオンのヒートファクトで14%となっています。 ですので先ほどの質問の中で、今来ている服のどれかがこれらの量販店の商品であると答える人の割合はとても高いと思われます。
では、なぜこれほどまでに量販店の衣類が多くの人のもとに流通しているのでしょうか?それはなんといっても「安価な価格」と「大量の宣伝効果」のこの二つによるものでしょう。
化学繊維を中心とした衣料を大量生産し、世界中の店舗に流通させます。さらに様々なカラーバリエーションを造り出し、コストを抑えながらも多様化する消費者のニーズにも答えることが可能です。そして、コストを抑えたことによりテレビCMや広告媒体で大量の宣伝をして、多くの消費者の目に止まらせます。そのリーズナブルな価格とバリエーションの豊富さから、消費者は購入に踏みるのです。これは実に優れた販売戦略といえるでしょう。
オーガニックコットンが流通しないのは何故?
では、オーガニックコットン等の天然素材がこれほど流通していのはなぜでしょうか?その答えは簡単です。まず天然素材は天候等、自然の状態によって価格にの変動がおこります。ですので化学繊維よりも安定した価格設定が困難になります。数年前、中国の経済が急激に成長した際には、これらの天然繊維の価格は約2倍以上も膨れ上がりました。この他にも生産に時間が掛かり、大量生産では非常に非効率になってしまうという実態があります。
さらに天然素材は化学繊維よりもコストがかかってしまいます。したがって、これら天然素材の衣料はそこまで安い値段で提供することが出来なくなります。
ですので、現在の多くの人がこのような量販店の低価格の化学繊維衣料を着るという機会が自然と増えてくるのです。衣料でも食品でも、安い価格には魅力を感じ、多くのニーズがあります。我々消費者はどうしても価格重視で選びがちになってしまいますが、購入の際にはその成分や生産地等には十分注意が必要です。
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