今回は、下半身に起こる病気の種類と詳細に付いてお話させて頂きます。
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下半身に起こる病気に付いて
●足白癬(水虫) br>
真菌の一種である皮膚糸状菌が皮膚に感染して起こる病気で、足に生じる白癬菌感染症で白癬のなかでは圧倒的に多く全白癬患者の65%程度を占めます。原因として感染の機会が多いこと・高温多湿などの環境因子・不潔や多汗などの皮膚の問題・長靴や安全靴の着用などの生活習慣です。家族内に感染者がいる人や施設で集団生活をしている人、プールや共同浴場の利用が多い人はうつる危険が多いといえます。また、足の指の間が狭いや入浴回数が少ない人にも多く見られます。特徴として環状の紅斑を示し中心部は軽快傾向にあるため褐色調で辺縁は炎症が強く、小水疱や丘疹が認められます。白癬はかゆいというイメージがありますが、かゆくないこともあり注意が必要です。
●尿路結石症 br>
おしっこの通り道を尿路といいますが、そのなかにカルシウムやシュウ酸・尿酸などを主成分にして結石ができるものを尿路結石症といいます。小児の尿路結石症の頻度は成人に比べて少なく全患者数の1%以下ですが、小児に尿路結石症が起こった場合は何らかの病気が隠れているといわれています。
たとえば尿路感染症を繰り返しやすい先天的な尿路の奇形(膀胱尿管逆流現象や水腎症)や遺伝的に尿に尿酸・シスチンやシュウ酸という結晶化しやすい物質が多く排泄される病気などです。また、長期間ベッドに寝ていて運動量が少ない場合にも尿路結石ができやすいといわれています。小児では比較的大きな結石でも、自然に排尿とともに排泄されることがあり、径4mm以下のものでは自然排石が期待できるとされています。水分をたくさんとらせておしっこの量を増やすことで自然排石を促します。成人では食生活が影響する為にバランスの良い食生活を心がけましょう。
●尿道炎 br>
尿道炎は主に男性尿道炎を意味し、その多くは性感染症に伴う場合がほとんどです。女性の場合は、膀胱炎から炎症が波及した場合に起こります。男性の尿道炎の原因は性行為による微生物感染であり、淋菌による淋菌性尿道炎と、それ以外の微生物による非淋菌性尿道炎とに大別されます。非淋菌性尿道炎にはクラミジア尿道炎があり、軽い尿道痛・軽いかゆみ・少量の分泌物(漿液性)がある場合があります。マイコプラズマ・ウレアプラズマによる尿道炎もクラミジアとほぼ同様の症状を示します。淋菌性尿道炎は感染から約1週間以内に急性尿道炎が発症し、外尿道口から濃厚なうみの排泄・初期尿道痛および外尿道口の発赤や腫脹が認められます。
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●痛風 br>
血液中の尿酸値が高い高尿酸血症で、足の指や足首・膝等に急性の関節炎が起こります。初めて発症される人の7割が足の母趾の付け根の関節にみられ、90%以上が男性で40代前後に多く、最近は若年化の傾向がみられます。原因は高尿酸血症が続くと尿酸の結晶が関節の組織に沈着し、その結晶が関節内に遊離するとそれに反応して炎症が起こるとされています。
尿酸はプリン体という物質で主に肝臓で産生され腎臓から排泄されるのですが、尿酸産生過剰あるいは排泄低下、あるいはそれらの混合のいずれかにより現れます。原因は不明ですが、遺伝性とアルコール(ビール)・甘い飲み物・肉食を多く摂取する習癖がある人に多いようです。発作前に圧迫感や熱を自覚し、6〜12時間後に発作が始まることが多く、発作時は激烈な痛みで、はれ・発赤・熱感を伴います。
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足腰の病気は要注意
●腰椎分離・すべり症 br>
椎弓の部分で骨の連続性が断たれてしまい、椎体と椎弓が離れてしまった状態を腰椎分離症といい、後方部分の支持性がないため椎体が前方にずれてくるものを分離すべり症といいます。すべり症は脊椎同士がずれた状態を指しますが、椎間板の老化による不安定性が原因でずれたものを変性すべり症と呼びます。分離すべり症は慢性的な腰痛と下肢痛を来すことが多く、変性すべり症はそれ以外にも歩行によって下肢痛やしびれ感が出現し、間欠性跛行や会陰部のしびれ、排尿排便障害を来します。分離症の原因は、生まれつきの先天性のものと繰り返し負荷がかかり疲労骨折等を起こした後天性のものがあります。少年のスポーツ活動で腰痛が出現する場合は分離症を疑い、成人の場合は同じ姿勢を続けたり、長時間の立ち仕事や重労働のあとに痛みが強くなります。また、神経根症状である脚の痛みやしびれが出現してくることもあります。
●半月板損傷 br>
半月板は線維軟骨からできている三日月形の組織で、大腿骨と脛骨の内側と外側の関節のすきまにあります。関節の適合性や安定性をよくし、荷重を吸収分散して円滑な動きをさせるクッション野用な働きをしています。主にスポーツ活動などによって膝にひねりがかかると損傷を生じることがあります。初回の受傷で半月板に亀裂が入っても小さな傷の場合には無症状もしくは疼痛のみで特徴的な症状はありませが、状態が悪くなると膝の中でコリッという音がしたり、半月板の断片がはさまって膝が伸びなくなるといった症状が現れます。また、関節に水がたまったり受傷直後には血がたまることがあります。
●関節水腫 br>
関節水腫とは、関節内にある関節液(滑液)の量が異常に増えてたまってしまう病状で、膝に水がたまる状態のことをいいます。様々な原因により滑膜組織に炎症が起こると、滑膜から関節液が過剰に分泌さ、関節液が多くなりお皿の上部に水が溜まります。膝の腫れや痛み・ひざのだるさ・膝の皿を押した時にプヨプヨと浮いているような感じ・何か入っているような異物感・突然ひざに激痛が走る・膝がはれて熱をもつ等の症状がみられます。水が溜まったまま放置すると、関節内の圧力が高まり膝を一定以上曲げ伸ばしできない可動域制限が見られたり、関節包の肥大や靭帯の緩みで膝がぐらつきやすくなります。
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