大気汚染の危険性

病気と現代医療



近年、中国からのPM2.5や排ガス問題、花粉前線等が大きく取り上げられる様になりました。放射能、花粉、ダイオキシン、PM2.5や黄砂等が大気汚染です。今回は、大気汚染の危険性についてお話をさせて頂きます。

PM2.5等の大気汚染に要注意

中国の大気汚染による「PM2.5」がここ数年間、地球温暖化や中国のゴビ砂漠の乾燥が進んだことにより、多量の黄砂と共に日本へも届くようになりました。そして我々日本に住む多くの人々の健康に大きな障害を引き起こす事で懸念され始めました。PM2.5の正体は、中国の工場や家庭で使われる硫黄分の多い石炭を燃やした際に発生する硫酸塩や硝酸塩で、10μm以下の粒子である浮遊粒子状物質(SPM)よりも小さな粒子です。直径2.5ミクロン以下の小さな粒子で、黄砂や花粉などに付着して日本に飛んできたものは肺の奥まで吸い込みやすく、高い濃度になれば慢性気管支炎やぜんそくなど呼吸器疾患の原因になります。

濃度が低くても目の不快を訴えたり、花粉症やアレルギー性結膜炎を悪化させる例が各地で報告されています。様々な大気汚染物質の中でPM2.5がこんなにも危険視されるのには理由があります。大気中にとどまる酸化水銀や鉛などの重金属とその他の有機化合物に長期間付着すし、鼻毛のような人体の防御機能ではブロックできない為に体内に取り込みやすく様々なリスクを与えるのです。

病気に付いて

中国北京の天安門広場では、2013年2月末にPM2.5の大気中濃度が1立方Mあたり469μgを記録しました。これはアメリカ環境保護局EPAの大気質指数の479倍に相当し、301以上が危険と言われる中で極めて危険な数値です。日本の安全基準は35μg、外出控えは70μgで勧められていることを考えるとどれだけ高い濃度かが解ると思います。

また、中国浙江省楽清市の小学校で、児童19人が突然鼻血を出したり、頭痛や嘔吐、胸の苦しさなどの症状で病院に搬送されました。原因は、学校周辺に乱立する工場から排出された基準を超える酸化クロムだとされています。中国では過去30年に肺がんによる死亡数が465%も増加しています。また、世界銀行の報告書では中国では大気汚染による死亡が毎年75万人もあると記載されています。

中国のPM2.5や大気汚染がこれほど重症になったのには、中国のエネルギーが石炭に依存していることが原因としてあげられます。石炭は二酸化炭素(炭酸ガス)排出量が最も多い化石燃料で、石油資源に乏しい中国が現在の経済発展を続けるには石炭を燃やす石炭火力発電をフル起動させます。それによって地球温暖化に拍車がかり、この様な健康被害が起きてしまうのです。インドもでも同じPM2.5や大気汚染の問題が深刻化しています。国際がん研究機関は、PM2.5などによる大気汚染は発がん性を有するとして、そのリスクをヒ素、アスベスト、プルトニウムと同等の最高レベルに分類しました。

日本の大気汚染問題

日本でも飛来するPM2.5以外の様々な大気汚染問題があります。杉花粉が多い事でも知られる日本ですが、都心部では路面がアスファルトになり、花粉が土壌に吸収されずに空気中に漂い排気ガス等に含まれる化学物質が付着し、花粉症を始めとするアレルギー疾患を発症させています。ディーゼル排気の吸入で心臓の心内膜に炎症を起こすという報告もある為、国道近くに住まれる場合は排ガス等のダイオキシンに気をつけなくてはなりません。

そして、日本には放射能の問題もあります。米国科学アカデミーは放射線被曝には、これ以下なら安全といえる量はないという内容のBEIR-VIIを発表しています。放射線被曝は低線量でも発がんリスクがあり、放射線業務従事者の線量限度である5年間で100ミリシーベルトの被曝でも約1%の人が放射線に起因するがんになるという報告がされています。15カ国の原子力施設労働者の調査でも、線量限度以下の低線量被曝でがん死のリスクが高まることが明らかになっています。

数年前から光化学スモッグ等の注意報が発令されるようになりましたが、空気が汚れているときには家屋の外に出ないことが大切です。家に入る前には衣類をはたいてから入る様にし、うがいや目の洗浄をしっっかりと行いましょう。空気が汚れているときには布団や洗濯物は室外に干さないことも役立つでしようにしましょう。通常のマスクは石油化学製品の為、ヘンプやオーガニックコットンのマスクの着用をお薦めします。

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